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【カフェの起業・開業の教科書】未経験からカフェをオープンして成功するための10の手順
日本国内では大手コーヒーチェーンが規模を拡大していますが、個人経営のカフェの人気も根強く、都心部では平日の日中であっても満席のカフェが少なくありません。
こだわりの豆を使った挽き立てのコーヒーがうりのカフェもあれば、居心地の良さを重視したカフェもあります。
飲食店での勤務経験を問わず、カフェの起業・開業を目指している方も多いのではないでしょうか。そこで本記事ではカフェの起業や開業を検討している方に向けて、カフェをオープンするために必要な資格や資金、必要な備品、決めておくべきことなどを解説します。本記事を読むことで、カフェの起業に関する知識は網羅できますので、ぜひ最後までご一読ください。
- 目次
- ■カフェを起業・開業するために必要な資金
- ■カフェ起業・開業の準備①コンセプトの決定
- ■カフェ起業・開業の準備②立地選び
- ■カフェ企業・開業の準備③店舗物件選び
- ■カフェ開業の準備④内装の決定と施工
- ■カフェの開業準備⑤開業するために必要な資格を取得
- ■カフェの開業の準備⑥メニューの選定と決定
- ■カフェの開業準備⑦必要な設備や備品を購入する
- ■カフェの開業準備⑧:食材の仕入れ業者を選定する
- ■カフェの開業準備⑨:雇用の検討と採用活動
- ■カフェの開業準備⑩:集客のための広告・宣伝戦略の立案と実施
- ■カフェを起業開業して経営する上で予想されるトラブルや失敗例
- ■コーヒーマシンや業者選定で悩んでいる方へ
- ■カフェの開業・起業を検討している方は計画的に!
カフェを起業・開業するために必要な資金
カフェの起業に必要な資金は、オープン予定エリアの地価や賃料相場、物件の広さ等によって大きく異なります。
ここではカフェの賃料・広さ別の初期費用の一例をご紹介します。
この金額だけ見ると、カフェの起業はかなり費用がかかりそうに見えますが、「自宅で起業する」「スタッフは雇わない」といった方式をとれば、必要な資金は大幅に圧縮できます。居抜き物件を探せば、内装費用や設備等の購入費用の一部を軽減できるケースもありますので、チェックしてみましょう。
またこれらの資金は、すべてを自己資金である必要はありません。日本政策金融公庫や地元の信用金庫の開業融資等を活用すれば、自己資金が少ない状態でも開業は可能です。起業者や業種転換者向けの補助金も充実していますので、合わせて確認しておきましょう。
カフェ起業・開業の準備①コンセプトの決定
カフェを開業すると決めたら、まずはカフェのコンセプトを決めましょう。カフェのコンセプトによって、オープンするエリアや内装、必要な備品等が異なりますので、最初にかためておく必要があります。
まずはお客様の属性をイメージしてみましょう。
勉強目的の学生さんなのか、商談をするビジネスパーソンなのか、はたまたランチやおしゃべりをメインにする主婦なのか。もちろんすべての属性のお客様に来ていただければ言うことはありませんが、すべての層に訴求することは困難です。まずはターゲットを決めて、そこから顧客層を広げて行くのが得策です。
コンセプトを決定するうえで、詳しく説明している記事はこちら!
カフェ起業・開業の準備②立地選び
カフェ経営を成功させるための重要な要素の1つが立地選びです。立地選びの際は以下のポイントを押さえておきましょう。
日中、夜間を通じて人流はあるか
カフェはお客様が来てくれなければ経営は成り立ちません。したがって、カフェをオープンするエリアの人流を必ず調査しておきましょう。電車移動がメインとなる首都圏では駅チカ物件が第一候補となります。ただし、駅チカ物件は賃料が高いため必要な初期費用が高額となる上に、損益分岐点が高くなりやすい傾向です。
資金面や経営に不安を抱えている方は、賃料が安く、ある程度の需要が期待できる物件を探してみましょう。たとえば以下のような物件は駅近物件ほど賃料が高くないですがある程度の集客が見込めます。
- ・駅から距離がある大学の近隣
- ・大規模団地や大規模住宅地
- ・駅から徒歩10分程度のビジネス街
大学の近隣は、学生のランチや勉強等のカフェ需要があります。また住宅地は主婦層だけでなく、在宅勤務が増えたビジネスパーソンの来店が期待できます。
競合店舗の有無
カフェをオープンするエリアを絞り込んだら、競合店舗の有無や経営状況を確認してみましょう。競合エリアがゼロであればよいかというとそうではありません。カフェの開業に適している地域にも関わらず、カフェが存在しない場合、カフェ経営には何らかの支障がある可能性もあります。
現時点で営業をしているカフェだけでなく、「地域名+カフェ」で検索して、閉店したカフェの情報も集めてみましょう。
そのエリアの人流にもよりますが、徒歩5分圏内に3つ以上のカフェがある場合は、競合が多すぎて集客に困るおそれがあります。
誘導施設の有無
誘導施設とは、駅や映画館、大規模スポーツ施設など多くの人が足を運ぶ施設のことをいいます。近隣に誘導施設がある場合、誘導施設の利用者が集まりますので集客しやすい傾向です。
歩きやすい、自動車を運転しやすい道路に面しているかどうか
徒歩での移動がメインになるエリアではカフェ前の道路の歩きやすさ、自動車移動がメインであればカフェへの入りやすさが重要です。人流が多いと見込んだ駅チカ物件であっても、じつは薄暗くて夜は人通りがまばらになることもあります。交通量が多い国道沿いにカフェをオープンしてみたら通勤渋滞がひどく、カフェに立ち寄る方がほとんどいないといったケースも想定できるでしょう。
人流や交通量だけでなく、「そこを通っていてカフェに入りたくなるのか」といった視点で候補地をチェックしてみましょう。
カフェ企業・開業の準備③店舗物件選び
カフェをオープンする場所を探しているときに複数の物件が見つかったかと思います。その中から、カフェに向いている物件を選ぶコツを解説します。
できれば道路に面した1階の物件を選ぶ
都市部では地下や2階以上に開業しているカフェも少なくありません。成功しているカフェも多数見かけるでしょう。しかし1階の道路に面している店舗がベストです。階段やエレベーターでの異動を避けるお客さまは想像以上に多いです。首都圏の駅チカ等の非常に賃料が高いエリアでなければ路面店を選ぶようにしましょう。
遠くからでも目視で確認できる物件を選ぶ
広告と聞くとポスティングのチラシや折り込みチラシ、インターネットの広告等をイメージしがちですが、カフェの店舗自体も立派な広告です。カフェが多くのお客さまの目に入れば自然とお客さまが集まりますし、まったく目に付かなければお客さまが自主的に足を運ぶ可能性は低くなります。
目視で確認しにくいカフェでも、隠れ家カフェや知る人ぞ知るカフェといった方向性でお客さまを集められるかもしれません。しかし、そのためには綿密なブランディングや広告戦略が必要です。
カフェ開業の準備④内装の決定と施工
つづいて、カフェの内装の決定と施工について解説します。カフェオーナーさまが考えるコンセプトを実現する工程ですので、もっともワクワクするのではないでしょうか。
知っておきたいスケルトン物件と居抜き物件の違い
店舗には居抜き物件とスケルトン物件の2種類があります。居抜き物件は前の入居者が行った内装工事や厨房設備などを撤去せずに退去した物件です。テーブルや机等が残されていることもあります。
スケルトン物件とは、賃貸契約で規定されている通り、壁紙や床、キッチン等の内装屋設備を撤去した状態の物件です。それぞれの特徴を表形式でまとめました。
カフェの内装はプロに設計を依頼すべき
カフェの内装を行うのは内装業者や建築会社です。内装、建築を行う業者は多数有りますが、それぞれ得意とする分野があります。店舗の内装を数多く行っている業者を選ぶようにしましょう。その際に大切なことは設計のプロが在籍しているかどうかです。店舗の設計は専門知識が必要で、オーナーさまのイメージのままに設計してしまうと、居心地が悪かったり、スタッフの動線が悪かったりするカフェになるリスクがあります。
あなたのイメージを使いやすい店舗設計に落とし込める設計者を探しましょう。
ベストなのはカフェや店舗の設計を得意とする設計者が所属している施工業者を探すことです。インターネットで検索して探すだけでなく、実際に電話や対面で話を聞くようにしましょう。インターネットに掲載されていない施工実績等も店舗であれば見せてもらえます。
カフェの開業準備⑤開業するために必要な資格を取得
まずはカフェをオープンするために必要な資格やあると便利な資格、スキルについて確認しておきましょう。
カフェの起業開業に必要な食品衛生責任者
カフェの起業、開業に必ず必要な資格が食品衛生責任者です。この資格はすべての飲食店をオープンするために必須の資格で、1名以上の在籍は義務とされています。
資格と聞くと難しそうに感じるかもしれませんが、食品衛生責任者の資格は、1日講習を受講すれば取得できます。
- 【東京都の食品衛生責任者資格の取得方法】
- 講習時間:午前9時45分から午後4時30分までの6時間
- 費用:教材費込みで12,000円
実地講習が難しい方や時間の余裕がない方向けに、eラーニングでの講習も実施されています。
実地講習と同じく、講習時間は6時間で講習費用は12,000円です。17歳以上の方で、運転免許証かマイナンバーカードを所有している東京都内の食品関連施設に勤務している方や東京都民であれば受講できます。
ただし、以下の資格を持っている方は講習を受けることなく食品衛生責任者の資格が取得できます。
- ・医師
- ・獣医師
- ・歯科医師
- ・薬剤師
- ・大学で医学や薬学、歯学、獣医学などを学んだ方
- ・栄養士
- ・調理師
- ・製菓衛生師
- ・食鳥処理衛生管理者
- ・畜場法に規定する衛生管理責任者、作業衛生責任者
収容人数が30名以上の飲食店を開業する場合は防火管理者も必要
カフェの最大客数と従業員が30名以上の場合は防火責任者という資格も必要です。多くの人が利用する施設での火災による被害を防止するために、消防計画を作成したり実施したりする役割を担う人のことをさします。
防火管理者になれるのは、防火管理業務を行える管理的、監督的な地位にある方で防火管理講習を修了している方です。防火管理者の講習はその種類によって半日〜2日かけて行われます。カフェの面積が300㎡未満であれば乙種講習といって1日の講習です。乙種の受講料はテキストや手数料込みで7,000円です。
カフェの起業に役立つ資格一覧
カフェの起業にあたっては集客や接客、事務作業等に役立つ資格もあります。これらの資格の取得は必須ではありませんので、余裕があるときや必要性を感じたときに取得するといった認識で問題ありません。
調理師系の資格
カフェでランチや軽食などを提供する場合は調理師系の資格があるスタッフが在席していると、お客さまが「このカフェは食べ物もおいしそう。フードにこだわっていそう」という印象を持ってくれます。調理師系の資格は以下の2つです。
- ・栄養士免許
- ・調理師免許
栄養士の資格は専門学校や短期大学、大学などで専門的な教育を受ける必要があります。「離乳食にこだわり」「オーガニック」「ヴィーガン対応」など、食の素材までこだわったメニューを提供するカフェに栄養士が在籍しているとお客様は安心感を抱きやすいでしょう。
調理師免許は調理師養成施設で学んだ方や、飲食店で実務経験を積んで調理師試験に合格した方が取得できます。
栄養士も調理師もカフェをオープンするために取得するというよりは、カフェのコンセプトを実現するために必要であれば資格を取得している人材を雇用すると考えておくとよいでしょう。
コーヒー関係の資格
カフェといえばコーヒーです。コーヒーに関係する資格を取得しているスタッフが在席していると「おいしいコーヒーが飲めそう」という印象をお客さまに与えることができます。国内には複数のコーヒー関係の資格が存在しています。比較的簡単に資格を取得できるものから、長い経験と知識が必要なものまでさまざまです。コーヒー通のお客さまに「おっ!」と感じていただきたい場合は以下の資格の取得を検討するとよいでしょう。
- ・Qグレーダー
- ・CSP
- ・JBAインストラクターライセンス
- ・J.C.Q.A認定コーヒー鑑定士
この中でもっとも難易度が高く、希少価値が高いのがQグレーダーです。受験費用は30万円を超えていますし、日本での資格取得者は400人未満といわれています。
バックオフィス系の資格
カフェを経営するにあたっては、経理や確定申告などの事務作業が必要です。事務手作業に資格は必要ありませんが、資格取得者が在籍していると作業がスムーズに進むでしょう。簿記やファイナンシャルプランナー、社会保険労務士、Microsoftスペシャリストなどがあると便利です。とはいえあくまでも「あると便利」程度ですので、バックオフィス系の資格にこだわる必要はありません。日々の帳簿の記帳や確定申告などの事務作業はクラウド系の会計ソフトを活用すれば、未経験者でもサクサク進めることができます。
カフェの開業の準備⑥メニューの選定と決定
つづいてカフェのメニューコンセプトを決めて、メニューを選び決めていきましょう。
カフェの商品コンセプトを決める
つづいてカフェの商品のコンセプトを決定しましょう。カフェのコンセプトを決めたかと思いますが、ここでは提供するコーヒーやフードのコンセプトを決めていきます。ひとくちにカフェといっても、「本格焙煎コーヒー」が売りのカフェもあれば、「カフェごはん」を売りにしているカフェもありますよね。あなたのカフェのコンセプトに合った商品コンセプトを決めましょう。
たとえば「オフィス街でビジネスパーソンを対象にしたカフェ」なら、容量が多めのドリンク類とリーズナブルで早く提供できるランチメニューを用意しておくと重宝されやすいでしょう。
メニュー数とメニューを決める
商品コンセプトが決まったら提供するメニューを具体的に決めていきます。メニューを決めるポイントは「メニュー数」の大枠を決めておくことです。カフェではメニュー数が多い方がお客さまのニーズを満たせるように感じて、増やしてしまいがちですが増やしすぎはNGです。たとえば本格焙煎コーヒーを売りにしているカフェでカツ丼を提供していると、お店の雰囲気が壊れてしまいます。
またメニュー数が多すぎると、スタッフがマスターするまでに時間がかかりますし、提供にも時間がかかってしまいます。「いかに効率良くメニューを提供できるか」という観点からも、メニューの数は絞っておきましょう。
客単価を意識してメニューの価格を決める
メニューは目標の売上を意識して、客単価に落とし込み決定しましょう。たとえばあなたのカフェの目標月商が200万円で席数が20席、営業時間が12時間で25日営業のカフェであれば1日の売上目標は8万円です。1時間あたり7,000円弱の売上がなければ達成できませんね。カフェの稼働率を40%程度、1時間に1回転だと仮定すると1時間当たりのお客様は8名。つまり1人あたり900円弱は使ってもらいたいものです。するとコーヒー一杯の価格は500円前後で、フードやセットメニューも注文してもらえなければ、売上の目標は達成できません。このように、売上げ目標をたててからメニューの価格を決めましょう。なお売上の目標の目安は家賃の10倍です。
FLRコストを意識してメニューの価格を決める
客単価以外だけでなく、原価に注目してメニューの価格を決める方法もあります。原価というとコーヒー豆やフードメニューの食材をイメージしがちですが人件費や賃料も原価です。これらをすべて合計したものが本物の原価です。これを「FLRコスト」といいます。
ただし、賃料は売上によって変動することはなく固定されていますので、実務上では「FLコスト」といって、人件費と材料費を重視した「FLコスト」で原価を決めていきます。
一般的に、FLコストは全体の売上の60%前後が適切だといわれています。カフェの運営を始めてからFLコストが高いことがわかっても、仕入れや人件費の圧縮は難しいので、開業前に逆算をして決めておきましょう。
カフェの開業準備⑦必要な設備や備品を購入する
次はカフェの開業に必要な備品や設備を選び、購入していきます。開業までに必要な備品や設備は以下の通りです。
キッチンに必要な設備と備品
キッチンには以下の設備・備品が必要です。シンクや冷蔵庫、食器棚は飲食店の営業許可を取得するために必須のアイテムです。
- ・洗い物用のシンク
- ・自動で氷を作る製氷機
- ・ガスレンジやIN調理器
- ・食器を収納する棚(戸がついていれば造作でも可)
- ・冷蔵庫
- ・包丁やまな板などの調理道具
- ・コーヒーマシン
この中でもカフェのコーヒーの味やスタッフの働きやすさを決める重要な要素のひとつがコーヒーマシンです。
ホールに必要な設備と備品
ホール内には以下の設備と備品が必要です。
- ・テーブル、椅子ソファ
- ・照明
- ・カウンター
- ・食器
- ・レジやカード決済機器
- ・食器
- ・電話やパソコンなど
このなかでお客さまの満足度をアップさせるのが椅子です。カフェのコンセプトが長時間滞在するものであれば、座り心地がよく疲れにくい椅子は必須です。オーナーさまが「ずっと座りたい」と感じる椅子を選びましょう。短時間の滞在を想定し回転を増やしたいのであれば、それほど心地よくない椅子を選ぶのもひとつの手段です。お客さまが長時間滞在せず、短時間での回転が見込めます。
カフェの開業準備⑧:食材の仕入れ業者を選定する
開業前に、食材を仕入れる業者も決めておきましょう。代表的な仕入れ先は以下の通りです。
- ・ネットスーパー
- ・業務スーパー
- ・卸業者(業務用サプライヤー)
- ・市場
- ・産直
- ・メーカー
どの方法で仕入れても問題はありませんが、手間のかからなさ、資金繰りの面から検討すると卸業者が優れています。卸業者とは飲食店向けの小売業者で業務用の食品や資材を扱っていますので、使い勝手がよいです。業者によっては請求書払いで仕入れから支払いまでに1ヶ月ほどの猶予があることもあります。資金繰りの向上の面でも卸業者はおすすめできます。
生鮮食品はスーパーや業務スーパー、市場など素材の良さと使い勝手の良さのバランスが取れたものを選びましょう。仕入れも業務の一環であり、時間がかかれば人件費も増えてしまいます。価格の安さだけでなく、仕入れやすさも考慮しましょう。
フーヅフリッジでは、数多くの飲食店さま向けに商品をご用意しております。
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カフェの開業準備⑨:雇用の検討と採用活動
人件費はカフェの経費、原価の中でも大きなウェイトを占めます。「できれば人は雇いたくない」とお考えのオーナーさまも少なくありません。
まずはスタッフを雇用するかどうか検討し、その上で採用活動をスタートしましょう。
カフェにスタッフは必要?不要?
カフェにスタッフが必要かどうかはカフェの規模と、オーナーさまのご家族の協力体制の有無によります。カフェの規模、営業時間にもよりますが20席以上あるカフェである程度の集客が期待できる立地であれば、オーナーさま以外のスタッフは必要です。カフェはコーヒーやドリンクの提供がメインにはなるものの、調理と接客と会計が同時に発生することは少なくありません。またスタッフがいなければオーナーさまが体調悪化等のアクシデントによってお店に出られなくなったときに、臨時休業せざるを得なくなり店舗のイメージが悪化します。
5席程度で、ドリンクメニューのみの提供であればオーナーさま1人でもなんとか経営はできます。ただしアクシデント時のバックアップ体制は構築しておきましょう。
スタッフの採用活動は1つの方法にこだわらないで
スタッフを採用する際は雇用形態を決めます。オープン当初はアルバイトなどの非正規の雇用形態がよいでしょう。アルバイトであれば忙しい週末だけ来てもらう、繁忙期だけ雇用するといった方法も可能です。スタッフの募集はハローワークなどの公的機関が運用する求人媒体だけでなく、バイト情報誌やインターネットの求人サイトなども検討しましょう。ただしハローワーク以外は費用がかかります。家族や友人知人のツテでアルバイトを探してもよいかもしれません。学生さんは短時間、短期間のアルバイトを探していることが多く、採用しやすい傾向です。
カフェの開業準備⑩:集客のための広告・宣伝戦略の立案と実施
これまで説明した準備と同時並行で行うのが集客のための広告や宣伝戦略の立案です。オープンの2ヶ月前にはプロモーション活動をスタートする必要があります。
オープン前から継続的に行う認知のプロモーション活動
カフェのオープン前は、お客さまにカフェの存在を知ってもらうための「認知のプロモーション」が欠かせません。代表的な認知のプロモーションは以下の通りです。
- ・お店の看板
- ・新聞折り込みチラシやポスティングなどの広告
- ・オンライン、オフラインの口コミ
- ・各種インターネットの広告
- ・公式サイトや公式SNSでの発信
- ・グルメサイトや予約サイトへの掲載
- ・メディアの取材
これらのプロモーションは単独で行うのではなく、組み合わせることが大切。オーナーさまがチラシやWebサイト等を制作できる場合には、ご自身で行っても問題はありません。ただオープン前のプロモーション活動はカフェ経営を順調にこぎ出すために重要です。一定の予算を確保して、チラシやWebサイトの制作はプロに任せるとよいでしょう。
これらのプロモーション活動はオープン前だけでなく、カフェを営業している期間は継続し続ける必要があります。
リピーター獲得のプロモーション活動
認知のプロモーション活動とともに大切なのは、リピーターを増やすプロモーション活動です。初めて来店していただいたお客さまにリピーターになっていただくプロモーション活動の例は以下の通りです。
- ・ポイントカードの配布
- ・公式SNSをフォローしていただく
- ・再来店クーポンの配布
- ・質が高い接客の実施
- ・質が高いメニューの提供
- ・季節の限定メニューの提供
これらの方法も組み合わせて実施しましょう。どんなにおいしいコーヒーを提供していても、接客態度が悪ければお客さまは二度と足を運んでくれません。
カフェを起業開業して経営する上で予想されるトラブルや失敗例
ここまで、カフェを開業するための手順を解説してきました。最後にカフェの経営にあたって想定されるトラブルや失敗とその対処方法について解説します。
原価の管理をせずに赤字の状態が続く
カフェの経営においては、人件費や家賃に原材料費等を合計した販売原価(売上原価)が売上を下回っていれば黒字経営です。とてもシンプルな仕組みですが、原価の管理をしっかりと行わなければ、販売原価が売上を上回り経営が行き詰まります。とくに原材料費以外の人件費や広告費、家賃等の管理は見過ごされがちですので、毎月必ず目を通しておきましょう。
内装・外装や備品にこだわりすぎて初期投資が高額になる
「おしゃれなカフェにしたい」「こだわりを詰め込んだ内装にしたい」
そう考えて内装や外装、備品や雑貨等にこだわるオーナーさまは少なくありません。たしかに雰囲気が作り込まれたカフェはお客さまを魅了します。
とはいえ自己資金が少ない方や、すべての初期投資を融資に頼っている方はこだわりすぎると資金繰りが悪化して経営が行き詰まるリスクがあります。
提供するメニューの質にこだわるものの広告・宣伝に費用をかけない
「おいしいコーヒーを提供すればお客さまは自然と集まる」
「雰囲気がよいカフェなら宣伝はいらない」
そう考えて、広告宣伝を軽視して失敗する事例も少なくありません。口コミだけでお客さまが集まるカフェもゼロではありませんが、ほとんどはそう見えるだけできちんと戦略が練られています。新規オープンの際は、カフェの認知度を向上させてお客様を集める広告戦略が欠かせません。必ず広告宣伝費を確保して、計画的にプロモーション活動を行いましょう。
コーヒーマシンや業者選定で悩んでいる方へ
カフェをオープンするとオーナーさまは毎日コーヒーマシンを使ってコーヒーを作り、日々食材や豆等を仕入れる必要があります。開業前は内装やメニュー作り等を重視しますが、オープン後はこれらのルーチンワークをいかに楽にするかが重要となります。オーナー様が原価の管理や店舗のマネジメントに注力するためには、仕入れ業務の負担の軽減が必要不可欠です。UCCではカフェのオーナー様にワンストップで店舗で使用する食材やマシン、豆等を提供する仕組みを整えています。UCCオリジナルブランドの商品だけでなくバリエーション豊かな業務用食材等を店舗までお届けしますので、オーナー様に仕入れのお手間をおかけしません。お悩みの方はお気軽にお問い合わせください。
カフェの開業・起業を検討している方は計画的に!
カフェを開業・起業する際は立地や物件選び、内装の実施や備品の選定、仕入れ先の選定にプロモーション活動などタスクが非常に多いです。半年から1年以上かけて準備する必要がありますので、焦らずじっくり取り組みましょう。
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