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今さら聞けない飲食店の衛生管理について5つのポイントを解説

飲食店の経営者や管理者にとって、衛生管理は欠かせない重要な課題です。顧客の健康を守り、信頼を築くためには、常に高い衛生基準を維持する必要があります。

しかし日々の忙しい業務の中で、衛生管理の基本を見落としてしまうことも少なくありません。

本記事では飲食店の衛生管理について、注意すべき5つのポイントを解説いたします。

ポイントをおさえることで、不衛生な状況を未然に防ぎ、安心してお客様に食事を提供できるようになるでしょう。飲食店の成功と持続可能な運営のために、ぜひお役立てください。

1.飲食業と衛生管理の関係

1.飲食業と衛生管理の関係

飲食業において、衛生管理は事業の根幹を成す重要な要素です。衛生管理が徹底されていないと、食中毒やクレームの発生リスクが高まり、顧客の信頼を損なう恐れがあります。

こちらでは、飲食業と衛生管理の関係について、特に食中毒の防止とお客様の満足度向上の観点から詳しく解説します。

(1)食中毒の発生を防ぐ

食中毒の発生は、飲食店にとって最も避けなければならない事態の一つです。

不衛生な厨房や調理器具の使用、食材の不適切な保管・取り扱いなどが原因で食中毒が発生すると、お客様の健康被害はもちろん、店舗の信用失墜につながります。

したがって飲食店の衛生管理計画をしっかりと策定し、定期的なチェック表を用いて衛生状態を確認することが求められます。

さらに従業員に対する衛生管理の教育を徹底し、資格取得を奨励することで、衛生意識を高めることが重要となるでしょう。

(2)お客様の満足度を高める

衛生的な環境で提供される食事は、お客様の満足度を大きく向上させます。きちんと管理された店舗はお客様に安心感を与え、リピート客の増加につながるでしょう。

また衛生管理が行き届いていることは、レストランの信頼性を高め、ポジティブな口コミや高評価を得られます。

お客様の信頼を得るためには、法律に基づいた衛生基準を遵守し、常に衛生管理のマニュアルを更新し続けることが必要です。

衛生管理は、単に法的義務を果たすだけでなく、お客様に安心と満足を提供するための基本的な要素です。飲食店の成功のために、衛生管理の重要性を再認識し、日々の業務に反映させていきましょう。

2.衛生管理で気を付けるべき5つのポイント

2.衛生管理で気を付けるべき5つのポイント

飲食店における衛生管理は、従業員全員が一丸となって取り組むべき課題です。こちらでは、特に気を付けるべき5つのポイントについて解説します。

(1)従業員の手洗い・身だしなみ・健康管理法

衛生管理の基本は、従業員一人ひとりの意識と行動にかかっています。以下3つのポイントに注意して、従業員の衛生状態を保ちましょう。

1.従業員の手洗い

従業員の手洗いは、食中毒の予防に直結する基本的な衛生管理の一環です。

手洗いのタイミングは

  • ●トイレ使用後
  • ●食材に触れる前後
  • ●ゴミ処理後

など、多岐にわたります。

正しい手洗い方法を徹底し、流水と石鹸を使用して20秒以上の洗浄をすることが推奨です。加えて手指の消毒も欠かさずに行うよう指導しましょう。

2.身だしなみ

従業員の身だしなみは、飲食店の清潔感を反映します。具体的には、

  • ●清潔な制服の着用
  • ●髪の毛を束ねる
  • ●爪を短く整える

などは基本です。

さらに指輪やネックレスなどの装飾品は、調理中に異物混入のリスクがあるため、外すように指導しましょう。身だしなみのチェックは、日々のルーティンとして欠かさず行うことが重要です。

3.健康状態

従業員の健康状態も、衛生管理の一環です。風邪や胃腸炎などの症状がある場合は、勤務を控えるように指導し、医療機関を受診してもらいましょう。

また定期的な健康診断を実施し、従業員の健康状態を常に把握しておくことも重要です。健康管理が徹底されていれば、お客様に安全で美味しい食事を提供できます。

従業員一人ひとりが衛生管理に対する意識を高めることで、飲食店全体の衛生水準が向上します。これらのポイントを日常業務に組み込み、徹底することで、安心してお客様に食事を楽しんでいただける環境を整えましょう。

(2)店舗の整理・整頓・清掃

飲食店における衛生管理の基本は、店舗全体の整理・整頓・清掃にあります。これらの活動は衛生的な環境を維持し、食中毒の発生を防ぐために欠かせません。

整理とは、必要なものと不要なものを区別し、不要なものを取り除くことです。店舗内には、使用頻度の低い調理器具や備品、期限切れの食材などが蓄積されがちです。これらを定期的に整理することで作業スペースを確保し、清潔な環境を保てるでしょう。

また整頓とは、必要なものを使いやすい場所に配置し、きちんと管理することです。調理器具や食材の保管場所を明確にし、誰が見てもわかるようにラベルを貼るなどの工夫をすると作業効率が向上します。

加えて定位置管理を徹底することで、調理中に必要なものがすぐに取り出せるようになり、不衛生な環境を防げるでしょう。

清掃とは、店舗内の汚れを取り除き、清潔な状態を維持することです。飲食店では、毎日の清掃が欠かせません。特に厨房や調理器具、冷蔵庫などは、食材に直接触れるため、細菌やウイルスが繁殖しやすい場所です。

定期的な清掃計画を立て、従業員全員で役割分担をして取り組みましょう。また清掃後のチェック表を用いて、清掃の完了を確認することで見落としを防ぎます。

(3)調理器具の洗浄・消毒

調理器具の洗浄・消毒は、飲食店の衛生管理において重要な役割を果たします。適切に洗浄・消毒されていない調理器具は、細菌やウイルスの繁殖源となり、食中毒の原因となるでしょう。

まず大切なことは、調理器具の汚れをしっかりと落とすことです。使用後すぐに流水で粗洗いを行い、食材の残渣を取り除き、洗剤を使ってしっかりと洗浄しましょう。特に包丁やまな板などの調理器具は、食材に直接触れるため、丁寧に洗浄することが求められます。

また洗浄後の調理器具に、消毒を行うことが必要です。消毒には、熱湯消毒やアルコール消毒が一般的に用いられます。熱湯消毒の場合は、90度以上の熱湯に1分間以上浸けることで、細菌やウイルスを死滅させられます。アルコール消毒の場合は、70%以上のアルコール溶液を使用し、器具全体にまんべんなくスプレーして自然乾燥させましょう。

加えて調理器具の保管も重要なポイントです。洗浄・消毒後の調理器具へ乾燥機を使用するか、清潔な布巾でしっかりと乾燥させた後、専用の保管場所に収納しましょう。保管場所自体も定期的に清掃し、衛生状態を保つことが大切です。

(4)食材・料理や食器の取扱い

衛生管理の重要な要素の一つに、食材や料理、食器の適切な取り扱いがあります。取り扱いのポイントについて詳しく解説します。

1.食材の受け取り

食材を受け取る際には、納入業者の衛生基準を確認し、品質が確保されていることを確認します。特に、生鮮食品や冷凍食品は、適切な温度管理が行われているかどうかをチェックすることが重要です。

また包装が破損していないか、異物が混入していないかも確認し、問題がある場合は受け取りを拒否する勇気も必要となります。

2.食材・料理・食器の保管

食材や料理、食器の保管は、衛生管理の中でも注意が必要です。食材は種類ごとに適切な温度で保管し、また交差汚染を防ぐために、生ものと調理済みの食品を分けて保管します。

加えて冷蔵庫や冷凍庫の温度を定期的にチェックし、適切な温度が維持されているかを確認しましょう。食器も使用後はすぐに洗浄・消毒を行い、清潔な状態で保管することが大切です。

3.食材の調理

食材の調理は、衛生管理の基準に従った調理方法を守ることが求められます。調理前には必ず手洗いを行い、調理器具も清潔なものを使用します。

特に生肉や魚を扱う際には、他の食材と交差汚染が起きないよう注意が必要です。調理温度にも気を配り、内部までしっかりと火が通るようにすることで、食中毒のリスクを低減できます。

4.料理の提供

料理の提供でも、衛生管理の徹底が求められます。調理が完了した料理は、すぐに提供するか、適切な温度で保温しましょう。

また料理を運ぶ際には直接手で触れないようにし、清潔なトングやサーバーを使用することが推奨されます。

(5)従業員への教育

飲食店における衛生管理を徹底するためには、従業員への教育が欠かせません。従業員一人ひとりが衛生管理の重要性を理解し、実践することで、店舗全体の衛生水準が向上します。

まず衛生管理に関する基本的な知識を、従業員全員に教育することが重要です。

  • ●食中毒の原因
  • ●予防方法
  • ●正しい手洗い方法
  • ●調理器具の洗浄・消毒手順

など、基本的な衛生管理の知識を共有します。定期的な研修や勉強会を通じて、常に最新の情報を提供し、従業員の知識をアップデートしましょう。

また実際の業務に即した実践的な訓練も大切です。例えばシミュレーションを通じて、食材の受け取りから調理、提供までの一連の流れを確認し、各段階での注意点を実際に体験させます。このような訓練は、従業員が具体的な状況での対応方法を理解しやすくするため、実務に役立つ教育方法です。

さらに衛生管理に関するマニュアルを作成し、全従業員がいつでも参照できるようにすることも大切です。加えて従業員の衛生管理に対する意識を高めるために、定期的なチェックとフィードバックを行いましょう。

最後に、衛生管理に関する資格取得を奨励します。食品衛生責任者や調理師などの資格は、従業員の専門知識を証明するものであり、店舗の信頼性向上につながります。資格取得に向けた支援制度を導入することで従業員のモチベーションを高め、店舗全体の衛生管理レベルを向上できるでしょう。

従業員への教育は、飲食店の衛生管理を成功させるための鍵です。従業員全員が衛生管理の重要性を理解し、日々の業務に反映させることで、安心して食事を提供できる環境を築きましょう。

3.衛生基準と衛生管理計画

3.衛生基準と衛生管理計

衛生基準を確立し、徹底した衛生管理計画を実行することは、飲食店の安全性と信頼性を高めるために不可欠です。特にHACCP(ハサップ)の義務化は、飲食業界全体にとって重要なステップとなっています。

(1)HACCP(ハサップ)義務化

1.HACCPとは何か

HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Points)は、「危害分析重要管理点」を意味し、食品の安全性を確保するための衛生管理手法です。

このシステムは、食品の製造・加工・調理の過程で発生する可能性のある危害要因を分析し、危害を未然に防止するための重要管理点を設定・監視することにより、安全な食品を提供することを目的としています。

HACCPは、国際的に認められた食品安全管理の標準であり、多くの国で採用されています。

2.HACCP義務化で求められる衛生基準

2021年6月から、日本においても全ての食品事業者に対してHACCPの導入が義務化されました。これにより、飲食店は以下の衛生基準を遵守することが求められます。

まずHACCPシステムを導入するためには、食品の製造・加工・調理の各工程における危害要因を詳細に分析し、発生しうる生物的、化学的、物理的な危害を特定します。

その上で各危害要因に対する重要管理点を設定し、管理点での監視・記録を行いましょう。例えば、調理工程においては、食材の加熱温度や時間を厳密に管理し、食中毒のリスクを低減させることが求められます。

またHACCP義務化に伴い、飲食店は衛生管理計画を策定し、従業員全員がその計画に基づいて行動することが必要です。

この計画には、具体的な衛生管理手順や緊急時の対応方法、定期的な衛生チェックの方法などが含まれます。加えて従業員に対してHACCPに関する教育・訓練を実施し、全員がHACCPの原則を理解し、実践することが求められます。

そして定期的な内部監査を実施し、HACCPシステムが適切に機能しているかを確認することも重要です。監査結果に基づいて必要な改善を行い、常に最新の衛生基準に適合するようにシステムを維持・更新することが求められます。

(2)一般衛生管理と重要管理ポイントの管理

HACCPシステムを効果的に導入するためには、一般衛生管理と重要管理ポイントの管理が不可欠です。詳しくご紹介します。

1.一般衛生管理

一般衛生管理は、食品の安全性を維持するための基本的な衛生管理手法です。

これには、

  • ●施設の清掃や消毒
  • ●従業員の健康管理
  • ●食材の適切な保管

従業員の健康管理も欠かせません。従業員の健康状態を日々チェックし、体調不良の際には適切な対応を取ることで、食中毒のリスクを低減します。

さらに食材の保管についても、適切な温度で保管し、交差汚染を防ぐために生ものと調理済みの食品を分けて保管することが求められます。一般衛生管理は、HACCPシステムの基盤となるものであり、これを徹底することで、食品の安全性を高められるでしょう。

2.重要管理ポイントの管理

重要管理ポイント(CCP:Critical Control Points)は、食品の製造・加工・調理の過程において、特に厳重に管理すべき工程を指します。これらのポイントでは、食中毒やその他の危害が発生しやすいため、厳密な管理が必要です。

具体的には各工程で発生しうる生物的、化学的、物理的な危害を分析し、それぞれの危害要因を特定することから始まります。その上で、特定した危害要因に対して、どの工程で管理すべきかを決定し、重要管理ポイントを設定します。

この設定に基づいて、具体的な管理基準、例えば調理温度や加熱時間などを確立し、これを遵守することが求められるでしょう。さらに重要管理ポイントでの管理活動を定期的に監視し、記録を取ることで、問題が発生した際に迅速に対応できる体制を整えることが重要です。

これらの取り組みにより、重要管理ポイントでの衛生管理を徹底することで、食中毒などの危害を未然に防ぐことが可能となります。

一般衛生管理と重要管理ポイントの管理は、HACCPシステムの両輪として機能し、飲食店が提供する食品の安全性を確保するために不可欠です。従業員全員がこれらの管理方法を理解し、実践することで、安心・安全な食事をお客様に提供できます。

4.飲食業における食中毒のリスク

4.飲食業における食中毒のリスク

飲食業では食中毒のリスクは常に存在しており、その予防は店舗経営の最重要課題の一つです。食中毒は細菌やウイルス、化学物質などの有害物質が食品に混入し、それを摂取することで引き起こされる健康被害となります。

飲食店で食中毒が発生すると、顧客の健康を害するだけでなく、店舗の信用を失墜させ、経営に重大な打撃を与えることになるでしょう。

食中毒の主な原因は、生肉や魚介類、卵などの食材に含まれる細菌やウイルスです。これらの食材を適切に取り扱わないと、調理過程で汚染が広がり、食中毒のリスクが高まります。

特に生の食材を扱う際には、交差汚染を防ぐために、生食材と調理済みの食品を分けて保管・調理することが重要です。また調理器具や手指の衛生管理も徹底し、細菌の繁殖を防ぐ必要があります。

さらに食中毒は、食材の保管温度や調理温度の管理不備からも発生します。例えば、冷蔵庫の温度が適切に保たれていなかったり、食品を十分に加熱していなかったりすると、細菌が繁殖しやすくなるでしょう。

これを防ぐためにも冷蔵庫や冷凍庫の温度を定期的にチェックし、食材を安全な温度で保管することが大切です。加えて調理時には中心温度を測定し、十分に加熱されていることを確認しましょう。

そして従業員の健康状態も、食中毒のリスクに影響を与えます。従業員が体調不良のまま勤務すると、病原菌が食品に混入するリスクが高まります。

したがって従業員の健康管理を徹底し、体調不良時には速やかに休ませるなどの対応が必要です。従業員への衛生教育を定期的に実施し、食中毒予防の意識を高めることも大切な要素となるでしょう。

5.大きな問題が発生する前にプロの視点でのチェックを実施しましょう

5.大きな問題が発生する前にプロの視点でのチェックを実施しましょう

飲食店の経営において、衛生管理の徹底は欠かせない要素です。しかし日々の業務に追われる中で、細かな問題が見過ごされてしまうことも少なくありません。

そこで大きな問題が発生する前に、専門家によるプロの視点でのチェックを定期的に実施することが非常に重要です。プロの視点でのチェックは、飲食店の衛生管理体制を客観的に評価し、見落としがちなポイントや潜在的なリスクを明らかにします。

例えば、厨房の清掃状態や食材の保管方法、調理器具の洗浄・消毒手順など、細部にわたる確認が行われます。専門家は最新の衛生基準や法律に基づいてチェックを行うため、店舗が法令遵守を確実に果たせるようになるでしょう。

またプロによるチェックは、従業員の衛生意識を高める機会にもなります。外部の専門家からのフィードバックを受けることで、日常業務における衛生管理の重要性を再認識し、改善点を具体的に理解できます。従業員一人ひとりが責任を持って衛生管理に取り組む姿勢が育まれるはずです。

さらにプロのチェックを受けることで、衛生管理のマニュアルや計画の見直しが促進されます。定期的な評価と改善を繰り返すことで、衛生管理体制の品質を継続的に向上させることが可能です。結果として、お客様に対する安心・安全なサービス提供が実現し、店舗の信頼性も向上します。

大きな問題が発生する前に、プロの視点でのチェックを積極的に取り入れることは、飲食店の健全な運営に不可欠です。衛生管理の専門家と協力し、常に最高の衛生基準を維持することで、お客様に安心して食事を楽しんでいただける環境を提供しましょう。


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