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飲食店の資金繰りを救済する制度がある?支援制度の内容を徹底解説!

飲食店_資金繰り

新型コロナウイルスの感染者数が日々更新されるなか、感染拡大防止のために飲食店をはじめとするさまざまな業種に営業自粛が要請されています。

日本経済の先が見えない状況で、中小企業や個人事業主の人は資金繰りに悩んでいるのではないでしょうか。このままでは、経営を続けていくことができないと危機感を持っている人も多いでしょう。そのような人たちのために、政府が用意しているさまざまな救済制度があります。

では、現在の状況を打開するためにどのような救済制度があるのか?について、制度の概要や受給要件などを紹介していきます。

飲食店の資金繰りを助ける 救済制度一覧

食店の資金繰りを助ける_救済制度一覧

新型コロナウイルス感染症の影響により、日本のみならず、世界中の経済が停滞しているなかで、政府はさまざまな資金繰りに対する救済制度を用意しています。

すべての業種を対象にした貸付や、飲食店や旅館業などに対象をしぼった貸付などがありますが、この項目では、それぞれの制度の概要や受給要件などを説明していきます。

※最新の情報については、各自治体や機関に必ずご確認ください。

経済産業省発表「新型コロナウイルス感染症特別貸付」

新型コロナウイルス感染症特別貸付は、新型コロナウイルス感染症拡大により、売上が減少するなどの影響を受けた会社や個人事業主に対して、日本政策金融公庫などが融資をしてくれる制度です。総額1,6兆円規模の実質無利子、無担保の資金繰り支援です。

融資の対象は、新型コロナウイルスの影響が終息すれば業況が回復し、中長期的に見て、さらなる成長の見込みがあるとされる企業です。貸付の名のとおり借金なので、当然、返済する必要があります。返済することがむずかしい企業や個人事業主は、融資をしてもらえないこともあるので注意しましょう。

実質無利子とはいうものの、まず前提として返済時に利息を支払う必要があります。

しかし、政府が用意した「特別利子補給制度」により、当初の3年分支払った利息分が後日返ってくるので、実質3年間は無利子あつかいになるというわけです。

実質無利子になる借入額は、国民生活事業は3,000万円まで、中小企業事業は1億円までです。当初、3年の間は基準利率(災害)に対してマイナス0,9%が適用され、4年目から基準利率(災害)になります。

つまり、最初の3年間は低い利率で融資が受けられ、かつ支払った利息があとで返ってきます。そして、返済開始時期も、最長5年の据置期間があるので、利息も元本も当面の間は、返済の心配をしなくていいということです。

返済期間は、設備資金で20年、運転資金で15年で、融資限度額は、国民生活事業で6,000万円、中小企業事業は3億円です。

【国民生活事業の受給要件】
・ 最近1ヶ月の売上高が前年または前々年の同期と比較して5%以上減少している
・ 業歴3ヶ月月以上1年1ヶ月未満の場合などは、最近1ヵ月の売上高が次のいずれかと比較して5%以上減少している
① 過去3ヵ月(最近1ヶ月を含みます)の平均売上高
② 2019年(令和元年)12月の売上高
③ 2019年(令和元年)10月から12月の平均売上高
【中小企業事業の受給要件】
・ 最近1ヶ月の売上高が前年または前々年同期に比し5%以上減少していることまたはこれと同様の状況にあること

(参考元サイト)

日本政策金融公庫 新型コロナウイルス感染症特別貸付

実質的な無利子化融資のご案内

厚生労働省『雇用調整助成金』の特例

会社は、景気が悪化して売上が減ったり、事業規模を縮小しなければ事業が継続できない状況になったときに、従業員を休業させることがあります。そのときに企業は、給料の約6割を休業手当として従業員に支払う必要があります。このようなときに、休業手当の何割かの金額を助成してもらえる制度が雇用調整助成金です。

従来の雇用調整助成金は、申請方法が複雑であったり、申請要件が厳しかったりと使いやすい制度ではありませんでした。しかし、今回の新型コロナウイルス感染症拡大にともない、日本中の企業が深刻な打撃を受け、多くの従業員を休業させる必要に迫られています。

そのため、政府は申請要件の緩和や、申請方法のを簡素化、今までできなかった事後申請を認めるなど、従来よりも使いやすくなるように特例措置を設けました。そのうえで、感染拡大防止のため、2020年4月1日~6月30日までの間は緊急対応期間中として、すべての業種の事業主を対象にしました。

具体的な相談や受付対応は、ハローワークや労働局で行っています。

受給要件に当てはまるのは、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、事業を縮小する必要に迫られた状況にあり、雇用を守るために「労使間の協定」にもとづいた休業を従業員に命ずる事業主です。

受給要件の詳細は以下のとおりです。

  • ・ 雇用保険適用事業主であること
  • ・ 受給に必要な書類を整備し、受給手続きのときに労働局などに提出し、適切に保管したうえで、提出を求められたらすみやかに応じること
  • ・ 労働局などの実地調査を受け入れること

(参考元サイト)

厚生労働省 雇用調整助成金の特例

雇用調整助成金 ガイドブック

日本政策金融公庫『衛生環境激変対策特別貸付』

衛生環境激変対策特別貸付は、感染症や食中毒などが発生し、衛生環境が劇的に変化したことにより、売上が減少した生活衛生関係営業者を対象にした貸付制度です。過去に、BSE、SARS、鳥インフルエンザ、口蹄疫などが原因で発動されたことがあります。

生活衛生関係営業者とは、旅館業、飲食業、クリーニング業、美容業などの18種を指します。

今回の新型コロナウイルス感染症の影響による貸付は、旅館業、飲食店営業者、喫茶店営業者が対象になっており、正式名称は「新型コロナウイルス感染症にかかる衛生環境激変特別貸付」です。関係省庁から適用の指示を受けて貸付されます。

経営を安定させる運転資金として融資を受けることができ、限度額は、旅館業で別枠3,000万円、飲食店営業者、喫茶店営業者は別枠1,000万円です。返済期間は、据置期間2年の7年です。

取扱期間は、2020年2月21日~2020年8月31日までになります。利率は通常、基準利率が適用されますが、振興計画の認定を受けた生活衛生同業組合の組合員は、1,26~1,55%の特別利率Cが適用されます。

受給要件は以下のとおりです。

  • ・ 今後も売上が減少することが予想されること
  • ・ 中長期的に業況が回復し、発展することが見込まれること
  • ・ 最近1ヶ月の売上高が前年または前々年の同期に比較して10%以上減少していること
  • ・ 業歴3ヶ月以上1年未満の場合は、最近1ヶ月の売上高が過去3ヶ月(最近1ヶ月を含みます。)の売上高の平均額に比較して10%以上減少していること

(参考元サイト)

日本政策金融公庫 新型コロナウイルス感染症にかかる衛生環境激変特別貸付

日本政策金融公庫 主要利率一覧表

法人税還付制度

法人税還付制度には、青色欠損金の繰戻し還付と災害損失欠損金の繰戻し還付があります。

青色欠損金の繰戻し還付とは、前年度が黒字で法人税を納め、景気や経営の悪化などが原因で当年度が赤字になった場合、前年度に納付した法人税の何割かの還付を受けることができる制度です。

従来の制度は、資本金1億円以下の中小企業が対象の制度でしたが、政府が2020年4月7日に打ち出した緊急経済対策のなかで、対象を資本金1億円超、10億円以下の企業にも拡大する特例案が盛り込まれました。

2020年4月21日現在では案として出ただけであり、特例の実施については、関係法案が国会で成立することが前提となります。

また、新型コロナウイルス感染症の影響により、売上が減少した場合には、災害損失欠損金の繰戻し還付を受けられる可能性があります。

災害損失欠損金の繰戻し還付の受給要件を以下に引用します。

「災害のあった日から同日以後1年を経過する日までの間に終了する各事業年度または災害のあった日から同日以後6月を経過する日までの間に終了する中間期間において生じた災害損失欠損金額を、その災害欠損事業年度開始の日前1年(青色申告書を提出する法人である場合には、前2年)以内に開始した事業年度に繰戻して法人税の還付を受けることができる」

(財務省 欠損金の繰戻しによる還付の特例(案)より引用)

新型コロナウイルス感染症による損失や費用と見なされるものは以下のとおりです。

  • ・ 飲食業における食材の廃棄による損失
  • ・ 感染者が出たために廃棄した備品などの損失
  • ・ イベントなどの中止により、廃棄することになった商品の損失
  • ・ 施設や備品を消毒するためにかかった費用
  • ・ 感染防止のために使用したマスク消毒液などの購入費用

(引用、参考元サイト)

財務省 欠損金の繰戻しによる還付の特例(案)

経済産業省 新型コロナウィルス感染症 緊急経済対策における税制上の措置

国税庁 災害損失欠損金の繰戻し還付

まとめ

新型コロナウイルス感染症の拡大により、日本経済は打撃を受けています。

すべての業種が深刻ですが、特に飲食業界、旅館業界は緊急事態宣言にともなう外出自粛、休業要請のため、営業すらできない状況が続いています。

しかし、消費税の中間納税も猶予が決まり、延滞税も発生しないようになりました。

また、政府もさまざまな対策を次々と打ち出しています。その結果、複雑であった手続きや申請方法が簡素化されたり、受給対象が拡大されたり、緊急経済対策に新たな支援策が出てきたりしていますし、さらなる第2、第3の支援も検討しているようです。

しばらくは、新型コロナウイルス感染症の影響が続くようですが、本記事で紹介した新型コロナウイルス感染症特別貸付、雇用調整助成金の特例、新型コロナウイルス感染症にかかる衛生環境激変特別貸付、法人税還付制度などをうまく利用し、この困難の時期を乗り越えていきたいですね。


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