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居酒屋開業の準備!物件選び・資金調達・資格取得や経営を成功させるためのポイント!

飲食店の経営の中でも居酒屋を開業してみたいという方のために、個人で居酒屋を経営するための4ステップをご紹介。経営を安定させるためのポイントなども解説していますので、居酒屋経営を検討している方は必見です。飲食店の開業を検討している人のなかには、業態として居酒屋を選択する人も多いのではないでしょうか。もともと居酒屋に行くことが好きな方や、お酒が好きな方などで目指される方もいるでしょう。そこで、居酒屋の開業にはどのようなメリット・デメリットがあるのか、開業への道のり、資金調達の実情、そして成功を収めるための秘訣までを紹介します。未経験でもできるのか、個人経営での年収はどれくらいなのかなど、個人での居酒屋経営に興味がある方はぜひ参考にしてください。

個人で居酒屋を開業するための4ステップ

個人経営の居酒屋を開業するために必要なことを、4つのステップにまとめました。

物件や資金など、さまざまな準備が必要となりますが、その順番も大切です。ここで一つずつ確認していきましょう。

個人居酒屋開業までのステップ1.居酒屋のコンセプトを決める

まずは、自分の経営したい居酒屋のコンセプトを決めていきます。

どのような客層の人に来てほしいのか、お店の雰囲気はおしゃれにしたいのかそれとも親しみやすいようなアットホームな場所にしたいのかなど、理想とするお店をイメージしていきます。

途中で方向性を変えることももちろん可能ですが、後のステップで行っていく物件探しや、経営を成功させるために重要な5W1Hを用いたコンセプトを具体化する作業の際にも重要になってくるため、ここでコンセプトを明確にして進めていくのが懸命です。

個人居酒屋開業までのステップ2.物件探し

コンセプトが決まったら、次は物件探しを始めます。
ここからは物件探しの基本的な知識や物件探しをするタイミング、理想通りの物件を契約するためのポイントを紹介します。

居抜き物件とスケルトン物件の違いとは?

物件探しを始めると、「居抜き物件」と「スケルトン物件」という言葉を目にするでしょう。それぞれの違いと特徴は以下のとおりです。

  • 居抜き物件

    定義:
    前テナントが使用していた什器や設備が残っており、そのまま使用できる状態の物件。

    メリット:
    初期費用を抑えられ、短期間で開店可能。

    デメリット:
    レイアウトやデザインの自由度が低く、設備の管理が難しい場合がある。


  • スケルトン物件

    定義:
    前テナントの什器・設備がなく、ビルの基本設備のみの状態の物件。

    メリット:
    内装やレイアウトを自由に設計でき、新規設備の管理が容易。

    デメリット:
    開店までの時間が長く、初期費用が高くなる傾向がある。

居抜き物件は初期費用を抑えて早く開業したい方に、スケルトン物件は費用や手間をかけて店舗づくりにこだわりたい方に適しています。

物件選びの注意点

物件を選ぶ際には、資金調達を先に行いましょう。

理由は、自己資金ではなく資金を調達して開業するケースが一般的であるためです。

資金を調達する際には、開業した後に細かい事業計画書を作成します。
資金融資をする立場では、どのような店舗を出店するのか未定である、賃料が分からない、出店予定地域で開業することが確定していないという相手には、どれほど事業計画書を作成しても信用できません。最終的に、資金調達ができなかったという可能性があるためです。

そのため、資金調達ではなく、物件探しを先に行う必要があります。

また、物件探しは、施工業者にも同行してもらいましょう。

広さだけを確認して物件を押さえ、実際に店舗の内装を施工する段階に入って問題点が浮き彫りになる場合も考えられるためです。

店舗内の間取りが悪く、予定していた席数のテーブルや椅子を配置できないといったケースなども非常に多く見られます。

施工業者と一緒に物件探しをすることによって、設計する立場で内部を確認してもらえます。希望する店舗の内装予定の席数を置けるかどうか、動線の快適さなども物件を仮押さえする前にチェックできるため安心です。

物件を仮押さえてから、内装工事資金の調達や人員の採用といった開店の準備をしなければならないため、開業予定日8ヶ月前~10ヶ月前を目安に希望の物件を契約しておきましょう。

とりあえずで居抜き物件を選ぶのは危険!飲食店開業の物件探しについて解説に関する記事はこちら

個人居酒屋開業までのステップ3.資金調達

物件が決まったら、次は居酒屋を開業する際の資金調達をしていきます。
具体的な金額と調達する方法を紹介します。

居酒屋の開業資金は1000万円前後が理想

日本政策金融公庫が行ったアンケート調査によると、居酒屋の開業資金の平均金額は500万円未満と回答した経営者が37.4%と最も多く、次に多かった金額は500万~1000万円未満で31%でした。
開業資金として1000万円以上を準備した人の割合は減少傾向にあります。

しかし、物件や立地によっても金額は前後します。

居抜き物件を契約したり、個人で経営する小規模な居酒屋であれば、開業資金を抑えられるでしょう。ただし、居抜き物件は簡単に見つかるものではなく、見つかるのはタイミング次第です。

開業資金の内訳には、看板作成・メニュー作成・スタッフの採用と研修・販促・レセプション費用などさまざまな費用がかかります。

また、必ず用意しなければならないのは運転資金です。運転資金については、300万円ほど用意しておく必要があります。毎月必要な固定の費用を6ヶ月分準備しておきましょう。

毎月の固定費半年分がおよそ300万円であり、飲食店を開業してから一定期間は赤字が続くといったケースが多いため、運転資金を用意しておく必要があります。

言い換えると、運転資金さえ用意できれば、残りを融資してもらうことで開業可能です。

資金調達の方法1.血縁・親族関係からの資金調達

資金を調達する際には、親や親戚、兄弟や姉妹、配偶者からお金を借りる方法が挙げられます。

しかし、親族や血縁関係の場合、お金のトラブルが発生しやすい点に注意しなければなりません。

そのため、お金を借りる際には必ず返済スケジュールも明確にして借りるようにしましょう。

また、血縁や親族からお金を借りると、その金額は自己資金と見なされることがあります。資金を借りる際には、借入金額、利子、返済期限などは収入と資産に基づいて決められ、居酒屋を開業する際には収入が不明瞭なため、資産が重視されます。

基本的に自己資金は貯金から来ますが、血縁や親族からの借金も自己資金と見なされることが多いのです。
その結果、自己資金が十分にあると認められ、融資を受けやすくなるメリットがあります。

資金調達の方法2.個人投資家による資金調達

これまで別の飲食店で働いていた場合は、常連や仲のいい友人、知人が融資をする形で資金を貸してくれることがあります。

居酒屋を開業する人の人柄に惹かれ、応援したいという気持ちで出資してくれるのです。

ただし、金融機関から融資を受ける場合、知人から借りたお金に関しては厳しく審査される点に注意が必要です。

運転資金が多く、店舗を経営できると判断し融資をしても、実際には運転資金が十分ではなかった場合、閉店せざるを得なくなる可能性が高くなります。
つまり、融資担当者は本当に運転資金が豊富なのかを見抜く必要があるのです。

そのため、知人からお金を借りて資金調達をしているといった場合は、非常に厳しく審査されるケースが一般的です。

資金調達の方法3.民間の金融機関からの融資

民間の金融機関とは、大手銀行や地方銀行から融資を受ける方法です。

ただし、民間金融機関の場合は、営業実績がある事業者を対象としているため、事業の実績がないと融資を受けられない可能性が高いでしょう。

そのため、未経験から始める場合などは融資を受けるのは厳しいと考えられます。

資金調達の方法4.日本政策金融公庫の融資制度

日本政策金融公庫の融資制度とは、日本政策金融公庫が出資する金融機関から融資を受ける方法です。

これから開業を始める企業の融資に注力している金融機関であることから、金利が低い点がメリットです。

日本政策金融公庫の融資を受けるためには、いくつかの条件があり

  • ●融資額の50%以上の自己資金があること
  • ●飲食業界での業務経験が6年以上あること
  • ●信用情報に金融事故の記録がないこと

などが挙げられます。

他にも事業計画書、創業計画書をきちんと明確に作成することが大切です。

融資額の上限はおよそ1000万円が平均値であり、手数料や報酬といった他の費用はかかりません。ただし、計画書の作成や審査を受けるなど手間と時間がかかる点がデメリットです。

補助金や助成金は開業時の資金になる?

補助金や助成金は、居酒屋開業時の資金として利用できる場合があります。

ただし、申請から支給まで約1年かかるケースが多いため、開業前に必要な資金を確保するためには計画的に申請する必要があるでしょう。

助成金や融資はいつでも応募できますが、補助金の場合は予算が下りたあとに数週間程度の時間を要し、応募した企業を審査するため応募期間が限定されています。

助成金は自治体や国の予算から労働環境や就労促進の環境改善を目的として、事業者を支えるために支払われます。返済義務はありませんが、前払いでは受け取れません。

しかし、自治体や国の予算があてられるため予算が下りない可能性もあり、前年度まで存在した補助金制度が翌年にはないといったことも。

補助金や助成金の例としては、地域創造的起業補助金(通称:創業補助金)や小規模事業者持続化補助金があります。それぞれ上限が設けられており、審査が行われます。

また、他の補助金や助成金についても、創業51年以上が経過しなければ支給されないといった条件が細かく異なるため、各自治体の制度を確認しましょう。

融資を成功させる!飲食店開業時の事業計画書と創業計画書の作成方法に関する記事はこちら

個人居酒屋開業までのステップ4.開店までにやっておくべきこと

最後のステップとして、開店前までにやっておくべきことを紹介します。

届出などの書類から人材育成、宣伝など、やるべきことはたくさんありますが、焦らずに着実に実行していくことが大切です。ここで一つずつ確認していきましょう。

居酒屋を開業するために必要な届出と資格

居酒屋を開業するためには、資格を取得し届出申請を行わなければなりません。

飲食店経営が未経験の方は、物件探し、融資の調達に加え、資格取得も必要であると覚えておきましょう。

では、具体的に必要な資格、届出申請の種類について以下で紹介します。

居酒屋を開業するために必要な届出

居酒屋を開業する場合に必要な届出は、全部で10種類あります。
届出先と、対象の業態、期限は以下のとおりです。

1.食品営業許可申請
・届出先:保健所
・対象の営業形態:全店舗
・届出時期:店舗完成の10日ほど前まで

2.防火管理者選任届
・届出先:消防署
・対象の営業形態:収容人数が30人を超える店舗
・届出時期:営業開始まで

3.防火対象設備使用開始届
・届出先:消防署
・対象の営業形態:建物や建物の一部を新たに使用し始める場合
・届出時期:使用開始7日前まで

4.火を使用する設備等の設置届
・届出先:消防署
・対象の営業形態:火を使用する設備を設置する場合
・届出時期:設備設置前まで

5.深夜酒類提供飲食店営業開始届出書
・届出先:警察署
・対象の営業形態:深夜12時以降もお酒を提供する場合
・届出時期:営業開始の10日前まで

6.風俗営業許可申請・届出先:警察署
・届出先:警察署
・対象の営業形態:客に接待行為を行う場合
・届出時期:営業開始の約2ヶ月前

7.個人事業の開廃業等届出書
・届出先:税務署
・対象の営業形態:個人で開業する場合
・届出時期:開業日から1ヶ月以内

8.労災保険の加入手続き
・届出先:労働基準監督署
・対象の営業形態:従業員を雇う場合
・届出時期:雇用日の翌日から10日以内

9.雇用保険の加入手続き
・届出先:公共職業安定所
・対象の営業形態:従業員を雇う場合
・届出時期:雇用日の翌日から10日以内

10.社会保険の加入手続き
・届出先:社会保険事務所
・対象の営業形態:法人の場合は強制加入/個人の場合は任意
・届出時期:可能な限り早く


飲食店開業に必要な2つの資格と10種類の届出に関する記事はこちら



居酒屋を開業するために必要な資格

居酒屋を開業するために必要な資格は以下の2つです。

  • ●食品衛生責任者
  • ●防火管理者

食品衛生責任者は、飲食店で必ず1名以上資格保有者が在籍していなければなりません。

食品衛生責任者は店舗内の衛生管理を徹底する者であり、スタッフに対して衛生管理についての指導や管理をさせるといった立場にもなります。

食品管理についての知識を学び、それぞれの地域の保健所で講習を受けた後に受講テストを行い食品衛生責任者の資格を取得します。費用は1万円程度です。

講習をしっかりと受ければ、テストそのものは難しくなく、比較的スムーズに資格を取れるでしょう。

そして、店舗内の収容人数が30人以上になる場合、防火管理者の配置が法律で義務付けられています。

防火管理者は、火災予防や初期消火、避難誘導などの防火管理上必要な業務を適切に遂行するための知識と技能を持つ人物です。

防火管理者になるためには、防火管理講習を受講し、修了する必要があります。

講習は通常2日間程度で行われ、費用は地域によって異なりますが、一般的には最大で5000円程度です。

また、補足ですが、居酒屋経営において調理師免許は必須ではありません。

調理師免許は、調理技術や食に関する知識を証明する資格ですが、飲食店を開業するために法的に必要とされているわけではないのです。

とはいえ、飲食店を運営するうえで役立つ知識となり、顧客への信頼を得るためにも有効です。また、調理師免許を持っていることで、将来的に料亭や一流レストランなどで働く選択肢も広がるでしょう。

資金や時間に余裕がある場合は、調理師免許取得を検討するのも一つの選択肢です。

メニュー考案

どのような料理を提供するのかは、お店の内装や立地と同じぐらい重要でもあります。

メニューの考案は、お店の魅力を形作る大切なポイントです。

まずは、どのような顧客を対象にして喜んでもらいたいかを思い描き、好みやニーズを深く理解しましょう。

心を掴む看板メニューを作り、同時に利益をもたらす料理も考えてみてください。季節感あふれる限定メニューや地元の素材を使った料理で、他とは一味違う体験を提供するのもいいでしょう。

お酒が好きな方は、お料理へのこだわりも強く、いい料理を提供できれば「またこのお店に来たい」と思わせる魅力となります。創造性と計画性を持って、お店独自のメニューを丁寧に練り上げましょう。

スタッフの雇用・教育

身内のサポートに加え、スタッフの採用が必要になることもあるでしょう。

その際は、お店のコンセプトやサービス方針に合ったスタッフを選ぶことが重要です。採用後は、彼らがお店の顔となることを意識し、接客や料理の基本から店の理念まで、丁寧な研修を行いましょう。

特に、明るく親しみやすい接客態度と、スムーズに業務をこなせる能力がある人が最適です。

また、スタッフ同士のコミュニケーションを促進し、チームワークを高める取り組みも行いましょう。人に何かを教え育てていくことは、とても労力のいることですが、ここを疎かにしてしまうと、安定した経営も望めなくなります。

スタッフ一人ひとりの個性と能力を大切にしながら、共に成長できる環境を作り上げていきましょう。

集客するための広告や各媒体での告知

居酒屋を開店する前の告知や宣伝は重要な集客戦略です。
あらゆる広告媒体やSNSを活用することで、多くの人に知ってもらうきっかけを作ります。

地域密着型のアプローチとしては、チラシや看板、A看板などの物理的な広告を活用し、近隣住民への認知度を高めましょう。

また、オープニングイベントの告知も効果的です。
例えば、初回限定の割引や特別メニューの提供など、来店を促すための特典を設けるとよいでしょう。

SNSでは、InstagramやFacebookなどを活用し、実際に提供する料理の写真や店内の雰囲気を共有することで、口コミを促進します。また、Googleマイビジネスの登録を行い、検索エンジンでの可視性を高めておくのも重要です。

このような集客は、一度きりの活動ではなく、継続的な努力が必要です。常に新鮮な情報を提供して、顧客との関係性を深めていくことが成功へのカギとなります。

個人居酒屋を経営したら年収はどれくらい?

個人居酒屋を経営したら年収はどれくらい?

では、個人経営の居酒屋のオーナーは、どれくらいの年収が稼げるのでしょうか。

前提として、居酒屋経営は規模や経営する店舗数によっても、年収は大きく変動します。
小さい規模であれば300万円〜600万円前後が相場となるでしょう。

一方で複数の店舗を経営するのであれば、1000万円以上の年収も見込めます。

飲食店オーナーの年収は、平均で600万円程度といわれているため、規模や立地によっては、平均かそれ以上の年収を得られる業態でもあるということです。

いずれ複数の店舗経営を見据えて開業して、1000万円以上の年収を目指すのもいいでしょう。

飲食店開業で居酒屋を選ぶメリット

居酒屋を開業し経営を安定させるのは簡単なことではありません。

しかし、一般的な他の飲食店にはないメリットが多いのも事実です。
まずは居酒屋を選ぶ主なメリットを2つ紹介します。

粗利率が高い

粗利率が高いのが、個人居酒屋経営のメリットです。

粗利率とは、売上原価で計算される数値です。難しい計算方法ではありません。

例えば、1皿1200円のメニューを扱っており、原材料費である原価が400円だった場合、粗利率は800円になるという計算です。

粗利率とは、1つの商品を提供した際に、どの程度利益を出せるかを把握するための数値ともいえます。

さらに、粗利率は金額が売上の何割に相当するのかを算出するため、提供している価格は粗利率でパーセンテージを計算できます。

「1つのメニューが売れたら、何%の儲けになる」という判断も可能です。

飲食店の原価率を正しく理解!大事なことは利益を上げること!に関する記事はこちら

差別化しやすい

居酒屋を開業しても、経営を安定させ店舗を運営し続けるためには、他の居酒屋と差別化を図らなければなりません。

その点、居酒屋のメニューは特に差別化しやすいともいえます。バラエティ豊富なメニューや、特定のお酒にベストマッチする料理など、工夫しがいがあるでしょう。

ここの居酒屋でしか食べられないメニューや受けられないサービスを提供している居酒屋であれば、多くの人に足を運んでもらえます。
実際に自分がお店に行く側の気持ちになって試行錯誤することで、アイディアが浮かんでくるでしょう。

お店の料理やサービスが気に入ってもらえれば、常連さんとなってお店の売上や宣伝に貢献してくれることもあります。

居酒屋では、通常の飲食店よりお店の人と顧客との距離感が近いことも多く、提供できるサービスや雰囲気なども、より特別なものにすることも可能です。

飲食店開業で居酒屋を選ぶデメリット

メリットがある一方で、やはりデメリットも存在します。
デメリットを無視しては、開業後に後悔してしまうことも考えられます。

そのため、ここで個人居酒屋を経営する際の主なデメリットを2つ見ていきましょう。

夜型の生活になる

通常の飲食店でも夜遅くまで経営しているところはありますが、居酒屋となると基本的には夜〜深夜まで営業しなくては客足も見込めません。

そのため、夜型の生活になることは避けられないでしょう。

開業するまで、一般的な日中の労働時間で働いていた方や、そこまで遅い時間まで働いていなかった場合、いざ経営を始めたら想像以上にキツいと感じることも考えられます。

ご自身の体調や、家族とのライフスタイルにも影響してくるため、安易に判断できない部分といえるでしょう。

実際の営業時間やその後のお店の締め作業など、入念にシミュレーションしてみることが大切です。

酔っ払った人への対応や大きなクレームが生じる場合も

居酒屋を経営するにあたって、酔っ払った人への対応に苦労する場面も考えておかなくてはなりません。

酔っ払っているからこそ、大きなクレームが発生したり、周囲の人に迷惑行為をする方も出てきます。

そういったことが起こってしまうことを覚悟し、理解したうえで、実際に起こってしまった際の対処法などもしっかりと考えておく必要があります。

また、どのような顧客に来てほしいかなども想定して立地を選ぶのも重要になってくるでしょう。

居酒屋の開業を成功させるためのポイント

居酒屋を安定して経営していくことは難しいのでしょうか?

飲食店を開業して、安定した経営を続けるためには、成功させるためのいくつかのポイントを押さえることが大切です。

開業を成功させるためのコツについて紹介します。

5W1Hを用いてコンセプトを明確にする

5W1Hとは、居酒屋を開業する際のコンセプトを明確にするために使用するフレームワークです。

独自のコンセプトを5W1Hで徹底的に練り上げることで、集客に繋がります。

例えば、以下のように具体化してみましょう。

【5W1Hの例】

  • When(いつ):夕方の仕事終わりから深夜まで営業し、仕事帰りのサラリーマンや遅くまで楽しむ若者たちにも対応。週末は昼間から営業を開始し、ゆったりとしたランチも提供する。

  • Where(どこで):繁華街の一角にあるアクセスしやすい立地を選び、20坪のコンパクトな空間を活かした落ち着いた和の雰囲気を演出。カウンター席を中心に、少人数のグループが楽しめるテーブル席も配置する。

  • Who(誰に):健康を気遣うが、お酒やおいしい料理も楽しみたいという30代から50代の大人の男女をターゲット。また、若者たちが来ても楽しめる創意工夫のあるメニューも用意する。地元の食材に興味がある食通の客層も意識します。

  • What(何を):地元の新鮮な食材を活かした季節の逸品や、無農薬野菜を使用した創作料理を提供。お酒は地酒やクラフトビールなど、こだわりの品揃えで差別化を図る。

  • Why(なぜ):健康と楽しみを両立させたいという現代人のニーズに応え、質の高い食事とお酒を提供して、日々のストレスからの解放できるように居心地のいい場所を提供したい。

  • How(どのように):オープンキッチンで料理の調理過程を見せることで、食の安全と楽しさを顧客に伝える。また、定期的なイベントやキャンペーン、地元食材を使った限定メニューなどを提供し、リピーターを増やす。

このように5W1Hを具体的に設定することで、独自性のあるお店のイメージを築き、ターゲットとする顧客層に刺さるコンセプトを明確にできます。

リピーターを増やすことも重要

顧客の回転率は、他の飲食店、例えばラーメン屋などと比べると低くなりますが、リピーターを味方にできると大きな利益に繋がりやすいのも居酒屋経営の特徴です。

平日の仕事帰りにふらっと行きやすい、または週末に仕事で疲れたときに必ず立ち寄りたくなるような場所になれば、その人たちのおかげで経営も徐々に安定してくるでしょう。

そのような場所にするためには、顧客とのコミュニケーションを大切にすることも欠かせません。おいしい料理やお酒を提供するだけでなく、店員と顧客との間に良好な関係が築ければ、顧客に居心地の良さを感じてもらえてまた来たいと思ってくれます。

さらに、ポイントカードや誕生日特典など、もう一度来る理由となる仕組みを導入することも有効です。

設定したコンセプトに合った店舗選び

居酒屋経営において、コンセプトに最適な店舗選びも重要です。

例えば、洗練された雰囲気のおしゃれな居酒屋を目指す場合、店舗のロケーションや内装、照明、家具選びに至るまで細部にわたってこだわりが求められます。
そのこだわりは来た人の印象を決定づけ、集客アップにも繋がるでしょう。
しかし、おしゃれかつ高級感を演出するとなればそれ相応の投資が必要になってきます。

一方で、気軽に立ち寄れるカジュアルな居酒屋をコンセプトにする場合、シンプルで機能的な内装や家具を選べば、コストを抑えることも可能です。

理想的な価値を提供するためには、コンセプトに基づいた予算配分が重要であり、経営の効率化と直結します。

また、コンセプトはメニュー開発や価格設定、さらにはマーケティング戦略でも軸となり、経営全体の方向性を決定づけるため初期段階で明確にしておくことが重要です。

飲食店開業するならコンセプト設計は不可欠!コンセプト設計の方法について解説はこちら

複数店舗の経営を視野に入れる

年収を上げるためにも、複数店舗の経営は効果的です。お店の名前を広げられること、リスク分散、そして経済的にもステップアップできる戦略的な動きといえます。

1店舗目が安定した収益を生み出し始めたら、次のステップとして複数店舗経営を視野に入れることはごくごく自然な流れです。

複数店舗を持つことで、1つの店舗が直面するかもしれない不測の事態や市場の変動に対しても、他の店舗とバランスが取れるのもメリットでしょう。

また、大量に食材や資材を仕入れることでコストを削減できたり、スタッフのキャリアパスが可能になったりと、経営の効率化と従業員が満足できる環境の両方を実現できる可能性も広がります。

とはいえ、複数店舗経営には注意が必要です。経営の複雑化、人材育成の課題、経費の増加など、計画的に対応しなければならないリスクも伴います。

成功するためには、各店舗ごとの特性を理解して、地域や顧客のニーズに合わせた運営を行うこと、そして何よりも1店舗目の成功を確実なものにすることが重要です。

立地にこだわる

いい立地は、自然と人の流れを生み出し、集客の労力を大きく減らすことも可能にします。立地が悪いと、いくら料理がおいしくても、新規顧客を獲得するのに苦労してしまうでしょう。宣伝費やそのための時間と人件費などが必要以上に嵩み、経営を圧迫する要因にもなりかねません。

開業時に成功の8割が決まるともいわれています。一度開業してしまうと、移転は現実的ではなく、移転には莫大なコストがかかるためです。

そして、飲食店は店前の通行量が売上に直結するため、立地は非常に重要なのです。

成功する居酒屋は、いい立地に恵まれています。しかし、立地選びは単に良い場所を選ぶだけではなく、その地域の市場分析やターゲット顧客の動向を理解することも大切です。

また、他の繁盛している居酒屋を実際に偵察し、そのエリアでの成功する可能性を探ることも一つの手段といえます。

顧客情報を分析してPDCAを回す

集客が見込めなければ、居酒屋経営は成り立ちません。
そのため、顧客情報の分析とPDCAサイクルを回し続けることは、継続的な改善と成長のために必要不可欠といえるでしょう。

まずは、顧客の嗜好やお店に来る頻度、支出パターンなどのデータを収集して、顧客のニーズや行動を予測する仮説を立てます。

次に、その仮説に基づいて実際に施策を実行し、結果を分析していきます。
例えば、特定の日にプロモーションを行なってみて、実際の効果をチェックすることで、どの施策が顧客の再来店に繋がるかを理解できるでしょう。

このように分析した結果をもとに、さらなる施策や工夫を実施して、常に改善し続けることで、居酒屋のサービスやメニューを顧客の好みに合わせて進化させていけるのです。

PDCAサイクルを回していけば、顧客満足度を上げ、リピーターを増やし、そして売上を継続的に伸ばしていけることが可能になります。

まとめ

居酒屋を開業する際には、物件探しから各種届出まで、さまざまな作業を行わなければなりません。
しかし、最も重要なことは店舗のコンセプトを明確にして、適した立地にある物件を選ぶことです。
自分が求めるコンセプトに合うエリアや場所、立地から近い場所や住宅街などコンセプトに合う町や場所をしっかりと検討しましょう。

また、飲食店経営で居酒屋開業には高い粗利率と差別化しやすいのがメリットですが、夜型の生活になることや酔客への対応はデメリットとなりえます。

この記事を参考にして、居酒屋開業の準備と成功のためのポイントを理解し、地域に愛されるような居酒屋を目指していきましょう。


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