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小さい飲食店を開きたい!開業までの準備を細かく紹介!
小さい飲食店を開業したいと考えているものの、1人でも開業できるのか、開業前の準備にはどのような手順を踏めばよいのか、不安や疑問を抱いているという人も多いのではないでしょうか。
そこで一人で小さな飲食店を開きたいと考えている人に向けて、開業前に行う準備について詳細を解説します。しっかりと詳細を確認して、開店準備の参考にしてください。
小さい飲食店なら1人でも開業できる?
1人1人小さい飲食店の定義は異なりますが、一般的には席数10席以下の飲食店は小さい飲食店というカテゴリーに入るでしょう。
面積は10~15坪ほどであり、小さい飲食店が多く並んでいるエリアはお客さんが入店するお店を選択するといった楽しみがあることから人気を集めています。
高級志向のレストランは1坪に1席用意することが一般的ですが、小さい飲食店の場合は1坪に対し2~2.5席を配置して、利益を得ることが一般的です。
カウンタータイプにするか、テーブルタイプにするのかによって座席数は大きく異なります。
カウンターの場合は座席数を増やせますが、ファミリー層をターゲットにするのは難しいでしょう。小さい飲食店は、利用する人の年齢層についても非常に幅が広く、20代~50代までのお客さんが利用します。そのため、小さい飲食店は、バーやカフェ、寿司屋など1人客が利用しやすい形態が多い傾向にあります。
小さい飲食店開業の準備 コンセプト設計
小さい飲食店を開業するための準備として、最も重要なのはコンセプト設計のため、重要だといわれる理由やコンセプトの決め方について詳しく解説します。
コンセプト設計を甘く見てはダメ
コンセプトは小さな飲食店のテーマを指します。どのような飲食店にするのかを決めることであり、来店するお客さんがお店に対するイメージや、どのような商品やサービスを提供しているのかを判断する材料にもなります。
色々な要素を軸にしてコンセプトを決めることは、開業した後もコンセプトがぶれることなく、どのような飲食店なのかは明確にアピールすることにつながります。
コンセプトを決めていないと、イメージがぶれることによって魅力や価値、強みをアピールできず、経営を安定させられません。
コンセプトを決める際には、お店の名前や内装、立地、価格、営業時間、スタッフの人数など様々な要素も含めて検討します。
「このようなコンセプトであれば、このようなお店の名前にした方がお客さんにスムーズにお店の存在を伝えやすい」「このようなコンセプトをお客さんにアピールするためには、このような内装にすべきだ」「このようなコンセプトに共感できるような従業員を採用しよう」など、細かな部分の店舗の開業に向けた準備もスムーズに進めることにつながるでしょう。コンセプトが定まっていれば、食器のデザインやメニューのデザインなども検討しやすくなります。
安定した経営をしている飲食店は、大小の規模を問わず、コンセプトがあることが特徴です。
お客さんは「この飲食店に来店すればこのような商品やサービスを提供してもらえる」ということを把握しているため、再来店しやすいことが理由の1つだといえるでしょう。さらに、コンセプトに適した飲食店を作ることによって、お客さんに伝わりやすいので、このようなお店があるといった口コミも広がり、集客につながります。
ただし、コンセプトとアイデアは別のものであることを認識しておきましょう。「このようなお店を作りたい」といってアイデアを持っているかもしれませんが、コンセプトを明確にする際の材料の1つであり、コンセプトそのものとアイデアは別物として考えなければなりません。
アイデアは自分の飲食店で提供できるサービスやメニューに関することであり、コンセプトはさらに深掘りし、お客さんが飲食店に来店したいと感じる理由を考えることです。
現在持っているアイデアはコンセプトと類似している可能性がありますが、再度アイデアとは別のものとしてコンセプトを検討しましょう。
5W1Hを使ってコンセプトを決めよう
「5W1H」は、飲食店だけではなくビジネス全般で使用されるワードです。
「5W1H」を利用したコンセプト設計の方法は、何を、誰に、どこで、いつ、なぜ、どのようにといった5つの要素を明確にすることから始めます。
5つの要素が明確になっていると、設計がスムーズに行えるうえに、開業後もぶれることなく、どのようなジャンルの飲食店なのかを周知してもらいやすくなることがメリットです。
- 【5W1Hの例】
- 何を:国産・無農薬・無肥料栽培の食材を使う、アルコール類を充実させる
- 誰に:健康志向の強い人、OL、カップル
- どこで:テラス席のあり、20坪前後
- いつ:ランチ~ディナータイム、ディナータイムのみ
- どのように:野菜はビュッフェ、持ち帰るも可能にする
飲食店を開業する際には、必要な資金を計算したり、事業計画書を作成したりする際に、どのようなコンセプトのお店であるかを明確にしておくことが大切です。
そのなかで、5W1Hは資金を準備したり事業計画書を作成したりする際に詳しい数字を明記するための重要なポイントの1つだといえます。
小さい飲食店開業の準備 物件選び
小さい飲食店を開業する際の準備の1つとして、物件を選ばなければなりません。しかし、1人で物件を選ぶとトラブルが起こる可能性もあるため注意が必要です。物件探しのタイミングや、物件探しを成功させるためのコツについて紹介します。
物件探しは資金調達より先におこなう
一般的に物件を探すよりも、資金調達を先に行わなければならないというイメージを持っている人も多いでしょう。理由は、お金がなければ物件を借りられないといったイメージがあるためです。
しかし、実際には、資金調達ではなく契約する物件を探して仮押さえをする方が先決だといいます。
自己資金ではなく資金調達をしたうえで、飲食店を開業するケースが多いことが理由であり、資金を調達する際には開業をした後に事業計画書が必要です。
事業計画書が融資をする側の立場では、家賃やどのような業種なのか、出店エリアはどこなのか何も分からない状態である場合に融資をするのは難しいといえます。
そのため、資金調達よりも物件探しを先に行い、自己資金が少ない場合には、手付金を払わずに仮押さえできるようにオーナーに交渉しましょう。
物件探しは施工業者にも同行してもらう
家を探している際に、内見で確認すると、内装工事をする間取りや、設備の関係で予定していた席数を確保できないといったケースが非常に多いです。
そのため、物件を選ぶ際に施工業者と一緒に行う方法が有効です。
施工業者と一緒に物件を選ぶことによって、希望通りの内装工事を行えるかどうかをその場で判断できます。また、物件を仮押さえする際に施工業者に同行してもらうことにはメリットが多いといえます。
物権を改装した後に、内装工事、外装工事、資金調達など様々な準備を行なわなければならないため、開業予定日の8ヶ月~10ヶ月前には契約を済ませておきましょう。
ただし、いつから家賃を支払わなければならないのかについて、注意しなければなりません。
開業の準備をしている最中も家賃が発生する契約は、居酒屋の売り上げがない状態で家賃を支払い続けなければならないため、自己資金の中から開業前の家賃を算出しなければなりません。
なお、飲食店を開業する際には、物件を選ぶ際にもポイントがあります。物件にはいぶき物件とスケルトン物件など種類があることが特徴です。
居抜き物件にはいくつかの種類があり、椅子やテーブルが撤去されていても、天井や壁が残った状態なども居抜き物件と呼ばれます。
居抜き物件は飲食店だけを指すのではなく、医療や小売店なども居抜き物件が使用されているケースが多く、不動産会社で確認する際には「造作譲渡物件」と記載されているケースが一般的です。
ただし、居抜き物件の場合は、以前営業していた店舗が集客できなかったために閉店したケースも珍しくありません。
そのような居抜き物件は近隣の住民から良い印象を持たれていないため、新しく飲食店をオープンしても良いイメージを持ってもらうまでに時間がかかる可能性があります。そのため、居抜き物件を確認する際には、不動産会社へ前に営業をしていた店舗の情報も問い合わせることがポイントです。
また、どのような店舗を運営するのかによって、厨房の広さや必要な器具には違いがあり、飲食店の経営を検討している人ごとに作りたい店舗の雰囲気にも違いがあります。
そのため、内装が作られた状態や厨房設備が残った状態の物件を借りることによって、経営者がイメージしている雰囲気のお店を作れないケースもあるでしょう。スケルトン物件であれば、設備や内装は取り除かれているため、こだわりの店舗作りを行えることがメリットです。
小さい飲食店開業の準備 資金調達
小さい飲食店を開業する際には、資金を調達しなければなりません。しかし、どの程度の資金が必要なのか、自己資金はどのように使用すれば良いのか分からない人も多いです。そこで、どの程度の資金を用意すべきなのか、具体的な数字と理由について紹介します。
用意しておきたい開業資金は1000万円前後が理想
開業資金の平均値はおよそ1,000万円であり、小さい飲食店は60~80万円×坪数で計算するため、最大1500万円程度の資金費用がかかります。
最低300万円程度の自己資金があれば、開業そのものは可能だといえるでしょう。
飲食店を開業したばかりの段階では、毎日多くのお客さんが来店して忙しくなるのではと考える人もいますが、現実は1日1組のお客さんしか来店しないといったケースもあります。
飲食店を開業してからの数ヶ月間は黒字にならないといったケースも少なくありません。そのため、自己資金は300万円程度用意する必要があります。しかし、融資を受けることを考えると、「自己資金300万円があれば飲食店を開業できる」という言い方もできるのです。
また、コストを抑えたい場合には、居抜き物件を契約する方法が有効です。
居抜き物件はスケルトン物件であれば、一坪 60から80万円、居抜き物件であれば10万円から40万円と費用を抑えられます。資金の内訳は、物件を借りる際に必要な費用と、内装や設備工事費用、看板やメニューを作成する費用です。物件を借りる際の費用は物件取得費用と呼ばれますが、物件を買うということではなく、契約時に必要な保証金(敷金)を指します。
物件を借りる際の保証金は家賃10ヶ月~1年分が一般的であり、例えば「保証金1年分、償却3ヶ月」という物件であれば、解約する際に保証金9ヶ月分返金対象です。しかし、居抜き物件を見つけられるかどうかはタイミング次第である点に注意しましょう。
内装と設備工事費用は、居抜き物件で坪単価最低10万円~最大50万円ほど、スケルトン物件は坪単価およそ70万円だといえます。居抜き物件ではない場合、椅子やテーブルは、リサイクル品を買うことで費用を節約することが可能です。
飲食店を開業する際には、助成金や補助金を利用する方法もあります。補助金は、補助金とは異なり条件を満たすことで融資を受けられるうえに、いつでも応募可能です。融資審査を通過できれば、前払いでお金を貸してもらえます。補助金と助成金と融資には違いがあるため、それぞれの違いや自治体の制度を確認しましょう。
小さい飲食店開業の準備 資格取得・届出申請
小さい飲食店を開業するための準備として、資格を取得し、届出を各所に届けて行わなければなりません。取得すべき資格と届出の種類について詳しく紹介します。
開業するために必要な資格は2つ
小さい飲食店を開業するためには、食品衛生管理責任者と防火管理者の二つの資格を取得する必要があります。
- 食品衛生責任者
- 食品衛生責任者は食品を扱う店舗で働く従業員のうち必ず1名以上が取得していなければならない資格です。食品衛生責任者は店舗内の衛生管理や従業員の衛生管理指導を行う立場のスタッフです。
食品衛生についての知識を学ぶために、それぞれの地域にある保健所で講習を受け、資格を取得し、費用は1万円ほどが一般的です。
費用についてはそれでも地域で異なるので、保健所に詳細を確認しましょう。 - 防火管理者
- 全店舗内の収容人数が30名以上の飲食店は、防火責任者を配置しなければなりません。それぞれの地域の消防署に足を運び、講習を受け付けることで取得できます。
講習は1日もしくは2日かかり、費用は3000~5000円と地域によって異なります。講習のスケジュールや費用について、事前に確認して予定を組みましょう。 - 調理師免許は必要ない
- 飲食店を開業するためには、調理師免許を持っていなければならないと考える人も多いですが、実際には調理師免許がなくても小さい飲食店を開業することは可能です。
調理師免許を取得するために、調理についての専門技術や知識を習得できるため、経済的時間的な余裕がある人は調理師免許を取得するのも良いでしょう。
開業するために必要な届出
飲食店を開業する場合、各所に届出をしなければなりません。届け出先と、対象の業態、期限について紹介します。
- ・食品営業許可申請
- 届出先:保健所
- 対象の営業形態:全店舗
- 届出時期:店舗完成の10日ほど前まで
- ・防火管理者選任届
- 届出先:消防署
- 対象の営業形態:収容人数が30人を超える店舗
- 届出時期:営業開始まで
- ・防火対象設備使用開始届
- 届出先:消防署
- 対象の営業形態:建物や建物の一部を新たに使用し始める場合
- 届出時期:使用開始7日前まで
- ・火を使用する設備等の設置届
- 届出先:消防署
- 対象の営業形態:火を使用する設備を設置する場合
- 届出時期:設備設置前まで
- ・深夜酒類提供飲食店営業開始届出書
- 届出先:警察署
- 対象の営業形態: 深夜12時以降もお酒を提供する場合
- 届出時期:営業開始の10日前まで
- ・風俗営業許可申請
- 届出先:警察署
- 対象の営業形態:客に接待行為を行う場合
- 届出時期:営業開始の約2ヶ月前
- ・個人事業の開廃業等届出書
- 届出先:税務署
- 対象の営業形態:個人で開業する場合
- 届出時期:開業日から1ヶ月以内
- ・労災保険の加入手続き
- 届出先:労働基準監督署
- 対象の営業形態:従業員を雇う場合
- 届出時期:雇用日の翌日から10日以内
- ・雇用保険の加入手続き
- 届出先:公共職業安定所
- 対象の営業形態:従業員を雇う場合
- 届出時期:雇用日の翌日から10日以内
- ・社会保険の加入手続き
- 届出先:社会保険事務所
- 対象の営業形態:法人の場合は強制加入/個人の場合は任意
- 届出時期:可能な限り早く
まとめ
小さな飲食店を開業するためには様々な準備が必要ですが、準備を進めるための第一段階としてコンセプト設計を行うことが非常に重要です。開業に必要な資金や内装費用、メニューなど様々な要素がバランスを取れるようにコンセプトを作ることで、お客さんに魅力をアピールできるので、リピーターを獲得することにもつながります。まずはコンセプト作りから始めて、自分の希望通りの飲食店を開業しましょう。
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