失敗・成功事例から学ぶ!キッチンカー(移動販売)の開業を成功させる解決方法
キッチンカーでの開業は年々増加傾向にあり、憧れている方は多くいらっしゃいます。そんな中で、せっかく開業のチャンスをものにできても、廃業に追い込まれてしまうことも少なくありません。
キッチンカー開業には店舗経営にないメリットがたくさんあります。上手に経営すればしっかり利益を出せるビジネスであるため、失敗は避けたいところです。
そこで今回は、キッチンカー開業での失敗事例から、失敗を防ぐ回避方法を紹介します。
この記事の内容まとめ
- キッチンカー開業は初期費用や固定費を抑えられる一方、準備不足や判断ミスにより失敗するケースも少なくない
- 初期費用のかけすぎ、メニュー設計ミス、原価管理不足、出店場所のリサーチ不足は代表的な失敗要因
- 失敗を防ぐには、営業許可の事前確認や原価率30%以下を意識した数字管理が重要
- 成功しているキッチンカーは、ターゲットと出店場所を明確にし、SNSを活用して集客している
- メニューやコンセプトの独自性に加え、人とのつながりを大切にすることが長く続く経営につながる
キッチンカー開業のメリット

キッチンカーでの開業はもちろん失敗することもありますが、失敗を恐れて挑戦しないのはもったいないです。
なぜなら、キッチンカーで開業することには、特に将来飲食店を経営したい方にとって、デメリット以上にメリットが大きいからです。
ここでは、キッチンカーで開業するメリットをご紹介します。失敗することを考えて前に進めない方は、メリットもしっかり把握しておきましょう。
初期費用が低い
キッチンカーで開業するメリットは、なんといっても初期費用が低いということです。
例えば、店舗を構えてカフェを開こうとすると、少なくとも1,000万円はかかるといわれます。1,000万円の開業資金を集めるのは、簡単なことではないでしょう。
一方、キッチンカーを用意するにはだいたい250万円〜300万円かかるといわれます。決して安いとはいえませんが、それでも手の届かない金額ではないはずです。
喫茶店や飲食店をしようと思うと、店舗を構えることがまず浮かぶと思います。ただ、低資金でできるキッチンカーという選択肢もあるというのも頭に入れておくと良いでしょう。
店舗家賃がかからない
キッチンカーで営業する場合、当然ですが店舗家賃がかかりません。
店舗を構えて飲食店を経営する場合、小さなお店でも賃料は安くて10万円はかかるでしょう。立地が良くなり、お店が大きくなれば20万円、30万円とかかってきます。
一方で、キッチンカーは一度購入してしまえば賃料がありません。維持費として駐車場代や保険料などがかかってきますが、大きく見積もっても月に5万円ほどでしょう。
店舗家賃がかからないということは、赤字のリスクを減らせるということです。大きな資金を持っていない人が始めるには、キッチンカーはもってこいの形態であるといえます。
人件費が安い、もしくはかからない
キッチンカーで営業するとなると、人件費が安く抑えられます。
なぜなら、キッチンカーの営業形態では、オペレーションに人手がかからないからです。人手がかからないどころか、1人で回すことも難しくありません。
具体的にいえば、通常の飲食店のようにサービス業務を行わなくて良いというのが要因です。飲食物をお客さんに手渡せば、それ以降はお客さんに任せられます。
人件費がかからないというのは、人手不足に悩まされている飲食業界では大きなメリットです。まずは、自分1人で始めてみると良いでしょう。
出店場所や曜日によってメニューを変えることができる
キッチンカーは出店場所を変えたり、メニューを変更したりすることが簡単にできます。
通常、固定の店舗ではリピーターを増やすために、大幅なメニューの変更は難しいです。
例えば、駅前のラーメン屋さんが、あるとき急にイタリアンレストランに変わったら困りますよね。もちろん、出店場所は変えられません。
一方で、キッチンカーは営業許可を得た範囲内であれば、出店場所を変えることが可能です。また、出店場所のニーズに合わせてメニューを変えることも難しくありません。
例えば、ビジネス街に出店する場合は、お昼時のサラリーマンを狙ったランチメニューなどの需要を狙えるでしょう。
臨機応変に対応できるのも、キッチンカーの大きなメリットです。
キッチンカー開業の失敗事例から学ぶ成功に導く方法

ここまでキッチンカーで開業するメリットを説明してきました。
ここでは、そのメリットを最大限活かして成功するための方法を紹介します。
キッチンカーの開業で避けるべき失敗事例を交えて説明しますので、失敗を避けるための参考にしてください。
失敗事例1:初期費用を投入しすぎた
初期費用を投入し過ぎて失敗する事例も多いです。初期費用をかけ過ぎると、開業後の営業でペイできなくなってしまいます。
具体的な初期費用を投入し過ぎてしまう失敗事例は、以下の通りです。
- 相場より高い改造費を払ってしまう
- 改造したは良いが再度改造が必要になった
解決策としては、複数のキッチンカー制作会社に、同じ内容のキッチンカーを作る費用の見積もりを取ることが挙げられます。
また、営業する地域で定められている営業許可の条件もしっかり確認しておきましょう。
飲食店開業費用に関する記事はこちら>
失敗事例2:メニューが陳腐、もしくは奇抜すぎる
メニューが陳腐だったり、もしくは奇抜過ぎたりすると売上が伸び悩むことが多いです。
キッチンカー営業で一山当てようと斬新なメニューを考える人が多いですが、実際は奇抜過ぎて受け入れられないことがあります。
メニューが奇抜すぎる具体的な失敗例は、以下のとおりです。
- 一般的でないメニューを並べてしまう
- 誰も食べたことがない食べ物を出す
お客さんは変わったメニューは基本的に求めていません。美味しいと分かっているものを買うのです。
まずは、広く受け入れられるメニューを考えて、売上が伸びてきたらオリジナルメニューも加えていくと良いでしょう。
メニュー開発に関する記事はこちら>
失敗事例3: 保健所への営業許可申請の準備が万全ではない
保健所への営業許可申請の準備が万全でないと、開始からつまずいてしまいます。最悪の場合、キッチンカーを改造し直すことにもなりかねません。
保健所への営業許可申請準備が不十分な例は、以下のとおりです。
- ぶっつけ本番で保健所に出向く
- 初心者として保健所に連絡する
- キッチンカー専門でない制作会社に依頼する
特に複数の場所で営業する方は、それぞれの地域の条件をクリアできるキッチンカーにすることが求められます。
こういったミスを防ぐために、事前にしっかり下調べをしっかりしておきましょう。
飲食店開業の申請や手続きに関する記事はこちら>
失敗事例4:仕入れ原価が高すぎる
仕入れ原価が高すぎるという失敗も多いです。仕入れ原価が高すぎると、いくら売り上げても利益を出せなくなってしまいます。
仕入原価が高くなってしまう失敗例は、以下のとおりです。
- 食材にこだわり過ぎる
- 希少価値の高いものを使う
- ブランドのあるものを仕入れる
こういった失敗を避けるには、原価率を意識して素材を仕入れましょう。キッチンカーの場合は、原価率は30%以下が目安です。
どうしても素材にこだわりたいのであれば、販売価格を上げることも検討しなければいけないでしょう。
仕入原価に関する記事はこちら>
失敗事例5:提供時間に遅れを生むオペレーション
提供時間に遅れを生むようなオペレーションは、失敗の要因となります。なぜなら、メニューの提供に時間がかかると多くのお客さんを捌けないからです。
例えば、2時間で100のオーダーを捌きたいときの計算は以下のようになります。
- 2時間(120分):100オーダー
- 1時間(60分):50オーダー
- 72秒:1オーダー
このように多くのオーダーを捌くには、注文を受けてからメニューを提供するまでの流れを短縮できないか考えてみましょう。
失敗事例6:売り上げ目標を明確に設定していなかったことによる赤字
売り上げ目標を明確に設定しないと、利益が出ず赤字になってしまいかねません。
売り上げ目標を決めるときは、手元にどれくらいのお金を残したいかを考えましょう。その上で運営費や原材料費を加味して具体的な売り上げ目標を設定することが大切です。
具体的な売り上げ目標の設定手順は、以下のとおりです。
- 1. 1ヶ月で手元に残したい金額を決める
- 2. 原価率や運営費率を計算する
- 3. 1ヶ月の売り上げ目標を算出する
- 4. 日割りで1日の売り上げ目標を出す
- 5. 売り上げ目標を価格で割り販売個数を出す
このように多くのオーダーを捌くには、注文を受けてからメニューを提供するまでの流れを短縮できないか考えてみましょう。
失敗事例7:出店場所のリサーチ不足で売る場所を確保できない
出店場所のリサーチ不足で売る場所が確保できないと、キッチンカーでの開業は確実に失敗します。
なぜなら、キッチンカーでの営業は場所が確保できて初めて成立する営業形態だからです。失敗には、以下のようなパターンがあります。
- フランチャイズ本部に任せている
- WEBサイトに登録しただけになっている
キッチンカーの出店場所の確保は、自分の足で稼がなければいけません。人任せではなく利益の出そうな場所を探して、家主さんに交渉してみましょう。
キッチンカーの開業に関するほかの記事はこちら>
成功事例から学ぶ!勝ち残るキッチンカーの5つの共通点
数多くのキッチンカー成功事例を見ていくと、業態やメニューは違っても、長く勝ち残っているお店にはいくつかの共通点があります。
ここでは、実際の成功事例から見えてきた5つのポイントを紹介します。
ターゲットと出店場所を見極められている
キッチンカーの成功事例で特に多いのが、「誰に売るか」と「どこで売るか」が明確なお店です。
オフィス街ならランチ需要、住宅街なら週末やイベント、観光地なら食べ歩き需要と、場所によって求められる価格帯やメニューは大きく変わります。成功しているキッチンカーは、感覚ではなく出店場所の人の流れや客層を見極めたうえで戦略的に出店しています。
SNSを活用した宣伝力が高い
多くのキッチンカー成功事例に共通するのが、SNSを活用した情報発信です。
出店場所や営業時間をこまめに発信するだけでなく、調理風景や限定メニューを投稿することで、ファンとの接点を増やしています。広告費をかけずに集客できるSNSは、移動販売という業態と非常に相性がよく、リピーター獲得にもつながります。
オリジナルのメニューや他にないお店のコンセプトがある
成功しているキッチンカーほど、「このお店ならでは」の強みを持っています。
地域の食材を使ったメニューや、ジャンルを絞った専門性の高い商品などコンセプトが明確です。数あるキッチンカーの中から選ばれるためには、覚えやすく、伝えやすい個性が重要であり、これが口コミやSNS拡散にも直結しています。
【キッチンカーの売れるメニューづくりに関する記事はこちらから】
キッチンカーの売れ筋メニューは何?売れるメニューづくりのコツも解説
「数字」のシミュレーションを行っている
キッチンカー成功事例の裏側には、必ずと言っていいほど数字の管理があります。
売上目標、原価率、出店料、燃料費などを事前にシミュレーションし、利益が出るかを冷静に判断しています。感覚だけで運営するのではなく、数字をもとにメニュー価格や出店場所を見直している点が、長く続くお店の特徴です。
つながりを大事にしている
最後に挙げられる共通点が、人とのつながりを大切にしていることです。
出店先の主催者、他のキッチンカー事業者、地域の人との関係づくりが、新たな出店機会や情報につながっています。キッチンカーは一人で完結するビジネスに見えますが、実際の成功事例では、人脈が成長を後押ししているケースが少なくありません。
よくある質問
Q1:キッチンカー開業で失敗しやすい原因は何ですか?
キッチンカー開業の失敗原因として多いのは、初期費用のかけすぎや出店場所のリサーチ不足です。また、売上目標や原価率などの数字を把握せず、感覚的に運営してしまうケースも失敗につながりやすい傾向があります。
Q2:成功しているキッチンカーの共通点は何ですか?
多くのキッチンカー成功事例に共通するのは、ターゲットと出店場所が明確であることです。さらに、SNSを活用した集客や、他店と差別化できるメニュー・コンセプトを持ち、数字を意識した経営を行っています。
Q3:キッチンカーの出店場所はどう選べば良いですか?
出店場所は人通りの多さだけでなく、客層や時間帯の需要を考慮して選ぶことが重要です。オフィス街、住宅街、イベント会場など、それぞれ求められる価格帯やメニューが異なるため、事前のリサーチが欠かせません。
Q4:キッチンカー開業で数字管理はなぜ重要ですか?
数字管理を行わないと、売上があっても利益が残らない状況に陥りやすくなります。売上目標、原価率、出店料などを事前にシミュレーションし、利益が出る運営ができているかを定期的に確認することが大切です。
Q5:キッチンカーは人とのつながりも重要ですか?
はい、キッチンカー運営では人とのつながりが大きな武器になります。出店先の主催者や他のキッチンカー事業者との関係構築が、新たな出店機会や有益な情報につながり、安定した営業を支えてくれます。
まとめ
今回は、キッチンカー開業での失敗事例から、失敗を防ぐ回避方法を紹介しました。
キッチンカーでの営業ではもちろん失敗することもあります。ただ、それはどんな営業形態にも言えることです。
失敗の事例を学んでおき、しっかり対策すれば失敗は避けられます。
また、キッチンカーでの開業は失敗のリスク以上に、メリットが大きいです。メリットを活かして成功できるように、失敗事例から対策方法を学んでおきましょう。