飲食店の接客マニュアルは絶対に作っておくこと!マニュアル作成方法解説!
飲食店の経営において、接客は必須。しかも、自分だけではなく従業員にも接客を徹底するとなると、開業前から不安になりますよね。
接客マニュアルは、従業員を含めた店全員で共通の接客認識を持つために重要なツールです。必ず作成し、スタッフと共有しなければなりません。
本記事では、マニュアルの作成方法と、簡単に作成できるテンプレートをご紹介します。マニュアル作りは大変ですが、ぜひテンプレートを見ながら作成してみてください。
この記事の内容まとめ
- マニュアルは、効率よくスタッフの共通認識を作り接客の質のばらつきをなくすのに役立つ
- マニュアル作成の手順は、ルールを整理、業務をすべて書き出す、業務の評価基準を決める、改善点を改善する、メンテナンス
- 必要なマニュアルの種類は、業務フロー、接客マナー、キッチン業務、トラブル対応
- それぞれのマニュアルごとに具体的な内容が異なる
飲食店のマニュアルって必要?
もし、あなたのお店があなた一人しかいないなら、マニュアルは必要ありません。
しかし、今後従業員を雇うこととなり、人数が増えれば増えるほど、マニュアルは必須です。では具体的に、マニュアルを作成することにどのような意味があるのか解説いたします。
接客は店の評価の80%を決める!
「美味しければ何でもいい」と思っている人は、実は全体の2割程度であることをご存知ですか?どんなにおいしい店でも、接客態度が悪い店は二度と利用しない、という回答をしている人が、なんと8割以上いるのです。
かくいう私も、大好きだったお店の店員が変わり、接客態度が非常に悪くなったため、二度とその店に足を運ばなくなりました。
接客とは、飲食店において味以上に重要な意味があるのです。
しかし、お店によって求められる接客はそれぞれ違ってきます。
ファストフード店に入って、わざわざウエイターが椅子を引いてくれたりするような過剰な接客は、気軽に食事を楽しみたい人にとっては鬱陶しく感じますよね。
接客は、全ての飲食店で同じではなく、それぞれのニーズに合わせた接客を行う必要があります。だからこそ、マニュアルが必要なのです。
マニュアルは共通認識を持たせる必須要素
では、あなたのお店独自の接客をどのように伝えていきましょう?
実際に接客するところを見せて、感覚で覚えてもらう、なんていうのは非常に効率が悪いですよね。
さらに、接客マニュアルがあれば、お店の方向性や接客の在り方など、お店のスタッフ全体で共通認識を持つことができます。
特にトラブルがあった場合でも落ち着いて対応できますし、スタッフ全員が同じ対応をすることで接客の質のばらつきをなくすことができるのです。
【飲食店の集客についての記事はこちらからどうぞ】
飲食店で集客を成功させるために不可欠な基礎知識とアイデア25選
マニュアル作成の流れとポイント

では、具体的に作成する流れをご紹介いたします。
特に作成時に注意するポイントについても詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
ルールを整理
まず最初に、この店のルールを明確にしておきましょう。
独自ルールだけでなく、暗黙の了解となっている細かいルールについても明確に記載しておきます。
新しいスタッフが入ってきてもすぐにわかるように、細かい点までしっかりと文章にしておくことが大切です。
例えば、出勤時間は予定の何分前に入っておくのか、タイムカードを押す前に引き継ぐ項目など、なんとなく行っている日課も全て書き出します。
業務をすべて書き出す
1日の業務フローを書きだします。
お店に入ってから業務終了まで、時間ごとに行う作業を明確に書き出しましょう。
業務を全て書き出せば、何の業務を忘れているのかも明確になります。
また、お店が忙しい時に誰かに聞けないようなときでも、マニュアルがあれば最低限行わなければならない業務は一人でもこなすことができます。
例えば、10時になったら清掃、11時になったら看板をCloseからOpenに変更する、などです。
業務の評価基準を決める
それぞれの業務に対し、どの程度までできていれば合格になるのか基準を決めておきましょう。
ここが曖昧だと、せっかく作っても接客の質にばらつきが生まれてしまいます。
「業務を行った」と言える判定基準をしっかり決めておきましょう。
例えば、コーヒーのおかわりの巡回について、全てのお客様に声かけをしたら合格とする、など。
改善点を改善する、メンテナンス
完成したら、全ての人に確認してもらいましょう。
人によって理解が変わるような記載がないか、再度見直してみます。
また、マニュアルは定期的に改善しなければなりません。
古くなったマニュアルをいつまでも使用していては意味がありません。
お店のルールは、新しい状況に直面する度にリニューアルされていきます。
例えば今まで予想もしなかったようなトラブルに合った場合、どういった接客でお客様を怒らせることなく対応したかということは、しっかり追記しておくべき事項ですよね。
そうすれば、次回また同じようなトラブルが発生しても、皆が同じような接客をすることができ、接客の質も保たれるということです。
月に1度、年に3回など、これもルールを決めて定期的にメンテナンスしていきましょう。
作成しておくべき!飲食店マニュアル項目

飲食店のマニュアルは色々なものが存在します。各マニュアルごとに、役立つタイミングや解決できる内容も違います。
ここでは、それぞれの利用目的について詳しく解説していきましょう。
【マニュアルのほかに飲食店の開業で必要なことについての記事はこちらからどうぞ】
飲食店開業に絶対に必要な事をお教えします!飲食店開業の流れ解説
業務フローマニュアル
業務全体の流れがわかります。
お店全体の方向性や、お店独自のルールなどを共通化するために重要です。
接客マナーマニュアル
接客の質を一定に保つためのもの。
全従業員で常に同じ対応をすることで、接客の質を下げることなく、効率的な教育を行うために必要です。
キッチン業務マニュアル
ホールでのスムーズな接客を行うためにも、キッチンの業務の効率化は必要不可欠です。これは具体的な調理方法を記載するのではなく、衛生面を考えた調理器具の扱い手順や、ゴミ出しなどのルールを記載しておくといいでしょう。
トラブル対応マニュアル
突発的なトラブルが起きた時の対応方法を記載したものです。
食材の不足や、責任者不在の場合のクレーム対応、予約のブッキングなど、想定できるトラブルについて、誰に指示を仰ぎ、どのような対応をすればいいのか明確に記載しておきましょう。
飲食店マニュアル:業務フローマニュアル編
飲食店での業務フローについてご紹介します。業務フローマニュアルを作成する時の必須項目をピックアップしていきます。
役割分担
各スタッフのお店における立場と役割を記載します。
実際に行う業務内容と、責任の所在についても明確に記載します。
開店業務・閉店業務フロー
キッチンは何時から開き、照明の点灯は何時から、フライヤーのスイッチを切るタイミングなど開店と閉店にかかわる内容を細かく記載します。
清掃業務フロー
清掃方法について詳しく記載します。例えば床を磨くときに使うスプレーの種類や、テーブルを拭くときに使用するタオルの種類など。また、テーブルの拭き方も丸く吹くのか縦に拭くのかなど、細かく記載しておきましょう。
接客業務フロー
お客様が入ってきて席に案内する流れや、呼び出しされた場合の対応、食事が終わった後のお皿を下げるタイミングなど、接客の一連の流れについて記載します。
キッチン業務フロー
詳しくは、キッチン業務マニュアルで解説します。
飲食店マニュアル:接客マナーマニュアル編
ここでは、飲食店における基本的な接客マナーを記載したマニュアルの作成について解説いたします。
接客マナーについて、基本的な内容を記載しましたので、ぜひ参考にしてください。
接客の基本、身だしなみと心構え
お客様に喜んでもらうことを第一とし、清潔な身だしなみを心がけましょう。
また、以下は接客マナーにおける最低限守るべき項目です。
- 笑顔で明るい対応を心がけましょう。
- はっきりした声でわかりやすく話す。
- どんな対応でも丁寧に行いましょう。
いい印象を与える接客の姿勢
- お客様をお迎えする際の姿勢は、
- 背筋を伸ばし、上体をまっすぐに
- 肩の力を抜く
- お辞儀は30度
接客は言葉遣いから接客7大用語
- いらっしゃいませ
- かしこまりました
- 少々お待ち下さい
- お待たせいたしました
- 申し訳ございません
- 恐れ入ります
- ありがとうございました。またご利用くださいませ
お出迎えとご案内方法
- ● 通常時
- 「いらっしゃいませ。何名様でいらっしゃいますか」
- 「かしこまりました、席にご案内いたしますのでこちらへどうぞ」
- ● 満席の場合
- 「あいにく満席でございます」
- 「お待たせいたしました、ご案内いたします」
- ● 満席により帰られる場合
- 「申し訳ございません、またのご利用をお待ちしております」
メニューの出し方
- 見やすいように開いた状態で渡す
- 一人一冊
- ファミリーの場合は大人の人数分
オーダーの受け方
お客様に呼ばれる前に、メニューから顔を上げた段階でテーブルまで伺います。
「ご注文はお決まりでしょうか」
まだだった場合は、
「ご注文が決まりましたら、お呼びくださいませ」
お辞儀をしていったん席を離れます。
オーダー内容は間違いがないよう、復唱します。
「ありがとうございます、ご注文を繰り返します」
「かしこまりました、少々お待ちくださいませ」
料理をお出しする方法
- 料理はお客様の左側から
- 簡単な料理の説明を添える
- 「ごゆっくりどうぞ、失礼いたします」
追加ドリンクのオーダーを取る方法
こまめに空いた皿やグラスを下げにテーブルを回るようにして、そのタイミングで追加ドリンクを促すと業務がスムーズです。本来であれば①下げる②オーダーを取ると2回テーブルに行く必要があるところを、1回にまとめることができます。
「こちらお下げしてよろしいでしょうか」
「追加のお飲み物をお持ちしましょうか」
会計時での接客方法
伝票は両手でお預かりし、レジを打ちます。
「ありがとうございます、伝票をお預かりいたします」
「合計で3000円になります」
「7000円のお返しになります、お確かめください」
領収書の対応方法
学生のアルバイトなど領収書が必要になることがないスタッフには、領収書についてとくに理解させる必要があります。宛名や但し書きなど、聞き間違えず正確に聞き取るよう注意するよう促すこともマニュアルに盛り込みたいところです。
領収書には以下の内容を記載します。
- 日付
- 宛名
- 金額
- 但し書き
- 認め印
- 印紙と割り印(5万円以上の場合)
書き損じたときの処理の仕方などもルール化してマニュアルに盛り込みましょう。
お見送りの方法
お見送りで気持ちよくお帰りいただけると、リピートにつながる可能性が高まります。お会計後に忘れ物がないか確認し、来店への感謝の気持ちを伝えましょう。ほかのスタッフも「ありがとうございました」と続くのが好ましい対応です。
またお帰りの後は、できるだけ早く席を片づけるとともに忘れ物がないか確認するようマニュアル化しましょう。忘れ物があった場合、早ければ早いほどその場でお返しできる可能性が高まります。
飲食店マニュアル:キッチン業務マニュアル編

ここでは、キッチン業務のマニュアル作成について解説いたします。
調理工程フロー
お店のメニューの調理方法について詳しく記載しておきます。
特に気を付けるポイントについても、細かく記載しておきましょう。
食材の管理方法
食材の管理について詳しく記載しておきましょう。
食材によって、冷凍庫なのか冷蔵庫なのか、調理してから保存するべきなのかなど、細かく記載しておきます。
厨房機器や調理道具の清掃方法
各調理器具の清掃過程や消毒方法、保管方法のルールを記載しておきます。
飲食店マニュアル:トラブル対応マニュアル編
ここでは、イレギュラーな項目やトラブルが起きた時の対応について記載します。
この内容は、短期間でメンテナンスしていくことをおすすめします。
トラブルがあったタイミングでメンテナンスしていくといいでしょう。
予約のブッキング
予約内容が被ってしまった場合の対応について、マニュアルに細かく記載します。
クレーム対応
感情的にならない、言い訳しない、言葉に気をつける、お詫びの方法など、クレームへの対応方法について記載します。
またいわゆる「モンスターカスタマー」による「カスハラ(カスタマーハラスメント)」への対応も必須です。起こってしまったときの対応だけでなく、防止するための取り組みや告知も検討しておきましょう。
食材の到着遅れ
食材の到着が遅れてしまった場合の対処方法について記載します。
他店で購入してくる、メニューを変更する、など
病気などによるスタッフの人手不足
急遽スタッフが休んでしまったりした場合の対応について記載します。
キッチンから一人ホールへ回る、予約を受けない、など
責任者が不在の場合の対応
責任者がいないときに指示を仰ぐ人の名前を記載しておいたり、急な場合に対応できる人の連絡先を記載しておく。
よくある質問
Q1. 飲食店にマニュアルは必要ですか?
A. マニュアルは接客や調理、トラブル対応などの手順を明確にし、スタッフ全員が同じサービス品質を提供するために重要です。新人教育や業務改善にも役立ちます。
Q2. 接客マニュアルには何を記載すべきですか?
A. 接客マニュアルには挨拶や注文の受け方、料理提供時の説明、会計時の対応方法などを具体的に記載します。復唱や声かけ例もあるとミス防止できます。
Q3. キッチン(調理)マニュアルのポイントは?
A. キッチンマニュアルは調理手順、味付けや盛り付け基準、食材管理方法や器具清掃方法を詳しく書きます。統一した味と安全な調理を保つのに役立ちます。
Q4. トラブル対応マニュアルはどんな内容?
A. 予約重複、クレーム対応、食材到着遅れ、人手不足時の対応など、臨機応変な対応方法を事前に定めて記載します。実際の対応を迷わず進めやすくなります。
Q5. マニュアルはどこに置くべきですか?
A. 業務現場(レジ裏・厨房・休憩室)などスタッフがすぐ確認できる場所に掲示します。電子データでスマホ・タブレットでも見られるようにすると利便性が高まります。
まとめ
接客のマニュアルは、お店のサービスを常に高い水準で保つためには絶対に必要なものです。新人が入ってきても同じサービスを保ち続けることができますし、なにより働くスタッフ側も、指示がぶれないため安心して接客を行うことができます。
すぐに確認できる場所に各マニュアルを設置しておき、スタッフ全員で改善していくことができればベストですね。