飲食店の開業時に利用できる助成金・補助金について【東京編】

飲食店の開業時に利用できる助成金・補助金について【東京編】

飲食店の開業は、他の業種と比べて最初に大きな資金が必要な業種です。

店舗の改装やデザインはもちろん、人件費や店舗の設備など、すべて計算してもかなりの資金が必要ですよね。

そこでぜひ活用してもらいたいのが、助成金・補助金です。

借入と違って、返済する必要がないのが最大の特徴で、自己資金でやっていける方や、借入を検討している方も、取得しておいて損のないものです。

本記事では、東京を中心に、飲食店で利用できる助成金・補助金の種類や取得方法について解説していきます。ただし東京以外にも共通するものも多いので、ぜひ参考にしてみてください。

 

この記事の内容まとめ

  • 「助成金」は、主に社会貢献のための事業を行っている人をサポートするお金
  • 「補助金」は主に地域活性化に貢献している事業者をサポートするお金
  • 助成金は条件を満たしていれば必ず交付されるが、補助金は公募スタイルで審査に通過しないと受けられない
  • 飲食店で利用できる助成金には、働くことが困難な人や安定した就職先が見つかっていない人の雇用、パートの方を正社員にするなどに対してのものがある
  • 飲食店で利用できる補助金には、ITの導入、新規創業、新しい販路開拓などに対するものがある



そもそも助成金や補助金とは?

飲食_店開業_助成金_補助金

助成金と補助金で共通していることは、「返済しなくてもいいお金」であるということ「国から援助してもらえる資金である」ことです。

そして、この2つにはそれぞれ別の特徴があります。

 

【飲食店の開業資金についての記事はこちらからどうぞ】
飲食店の開業資金っていくらかかる?費用の内訳から調達方法まで解説


助成金とは

社会貢献のための事業を行っている人のサポートを行うためのお金です。国や自治体の予算の中から、特に労働環境の改善や就労を促進するためのサポートを行っているような事業者に交付されています。


補助金とは

主に地域の活性化に貢献している事業者にサポートされるお金。国や自治体の予算から、公募で審査通過した事業者にのみ、交付されています。

2つの大きな違いは、助成金は条件さえ満たしていれば必ず交付してもらえるのに対し、補助金は資金が決まっているため、公募スタイルで審査に通過した事業者のみが交付を受けることができるという点です。

一般的に、助成金よりも補助金の方が交付される金額が高いのが特徴です。

どちらか片方というわけではなく、両方とも利用することもできます。

飲食店が利用できるものはたくさんありますので、該当しそうなものは全て申請しておくといいでしょう。


飲食店の開業時に使える助成金・補助金の種類

ここからは、実際に飲食店に向けたものについて詳しく紹介いたします。

開業前に利用できるものはたくさんありますので、該当しそうなものについては忘れずに申請しておきましょう。

 

【キッチンカー開業向けの補助金・助成金についての記事はこちらからどうぞ】
キッチンカー開業で使える補助金・助成金はある?地域別の例を紹介


助成金の種類

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特定求職者雇用開発助成金

働くことが困難な人を積極的に雇用する機会を設ける事業者向けの助成金です。

対象は、障がい者や高齢者、母子・父子家庭の母父の雇用となります。

継続して雇用することが条件となり、週の労働時間によって支給額も変わってきます。

また、平均額は、高齢者の場合は約40万~60万、障がい者の場合は約80万~240万くらいが支給されます。


トライアル雇用奨励金

過去に経験のない分野への就職希望者や、学校卒業3年以内でいまだ安定した就職先が見つかっていない人の雇用が対象となります。

過去に安定した職業についていない45歳未満の人の雇用が条件となり、基本的にはハローワーク等からの紹介で募集します。

支給額は、最大4万円(1人あたり)で最大3カ月間受給できます。


キャリアアップ助成金

パートや期限のあるパートで働く方を、正社員にしたり期限なしのパート扱いとするなど、社員の待遇改善を行った事業者に対して支給されます。

一人当たりの平均額は、正社員化で28.5万~57万円、基本給の改定で9.5万~12万程度となります。


創業助成事業

東京都内限定となりますが、最大300万円もらえる制度です。

創業から5年未満の中小企業で、なおかつ創業支援制度を利用している事業者に限られます。

個人での飲食店開業にピッタリですが、かなり厳しい審査が行われていますので、事前準備をしっかり行い、心して申請しましょう。


若手・女性リーダー応援プログラム助成事業

東京都内の商店街限定の助成金プログラムです。

女性または39歳以下の男性による、商店街への出店に対して支払われます。過去に店舗を持っていないことが条件で、個人事業主でも申請が可能です。

金額は最大で730万円と高額で、飲食店の開業資金の支援に向いています。


商店街起業・承継支援事業助成金

若手・女性リーダーのように年齢や性別の限定がなく、これから東京都内の商店街に開業しようという方向けです。

開業に関する条件さえ満たしていれば、誰でも申請することができます。

金額は最大で580万円とこちらも高額ですので、商店街に出店される際は忘れずに申請しましょう。


補助金の種類

飲食店でも利用できる補助金の種類をご紹介します。

 

【小さい飲食店開業の準備についての記事はこちらからどうぞ】
小さい飲食店を開きたい!開業までの準備を細かく紹介!


IT導入補助金

生産性の向上のためにIT導入を希望する事業者に向けた補助金です。

IT導入により、労働時間の削減などの効果が見込めるため、積極的な導入を行っている事業者に対し、最大450万を受け取ることができます。


創業・事業承継補助金

新規で開業する際に、国からの補助を受けることができる補助金です。

他とは違い、利益に応じて返済が必要なので注意が必要です。

金額は100万、200万、500万の3パターンで、外部からの融資がない場合は100万以内と決められています。

補助金を利用する場合は、他の方法での資金調達も視野に入れておく必要があります。


軽減税率対策補助金

既に募集は終了していますが、消費税率10%に伴って導入された軽減税率に対応するレジや受注システムの導入に関する費用が支給されます。


小規模事業者持続化補助金

現在の事業に対して、バリアフリー化やホームページによる集客など新たな販路の開拓のために必要な資金を補助してくれる制度です。

条件は、サービス業の場合、従業員5名以下などの小規模事業が対象で、金額は上限50万となかなか高額な金額です。

条件が複雑な部分もありますので、事前に確認して申請しましょう。


飲食店の開業時に助成金をもらうための条件について

助成金はできるだけ早く支給してもらいたいもの。可能なら、なにかとお金が必要な開業時にもらえるとありがたいですよね。

少しでも早く支給してもらうためにも、最低条件くらいは申請前にクリアしておくとスムーズです。

では最低条件とはどのようなものなのか?2つの例で見てみましょう。


◆特定求職者雇用開発助成金の場合

高齢者・障がい者を積極的に雇用する事業主に支払われるものです。

要件は、下記の通りです。

  • • 雇用保険を適用した状態で、継続して雇用すること
  • • 過去6か月以内に、事業主都合での解雇をしていないこと
  • • 過去3年以内に、助成金を利用して雇い入れた対象者を解雇していないこと

基本的に、雇用したら解雇してはいけないというのが大きな要件になります。


◆トライアル雇用奨励金の場合

就職が安定しない人を3ヶ月間の使用期間を経て、常用雇用に移行するためのものです。

要件は、下記の通りです。

  • • 雇用保険被保険者資格をもっていること
  • • ハローワークの紹介で「トライアル雇用」として雇用すること
  • • 雇用前に雇用の約束をしていないこと、3等親以内の親族でないこと

今紹介した要件は、3つとも一部です。

このように、助成金を受けるためには、複雑な要件がたくさんありますので、早めに調べておき、開業または開業前に申請できるもの早めに準備しておきましょう。


補助金・助成金申請の注意点

補助金や助成金を申請する際は、以下の点に注意しましょう。

  • 条件の確認:申請で満たすべき条件を確認し、自店が条件に合っているか判断する
  • 書類の作成:不備のないよう、必要書類はすべてそろえて内容も間違いなく記載する
  • 交付の時期・方法の確認:一時的に自己資金でまかなうケースも少なくない
  • 申請期限の厳守:期限に間に合うよう書類を準備し、余裕をもって提出する

さらに審査が通った場合、以下も重要となります。

  • 適切な使用:定められた使途・目的にのみ使用する
  • 正確な報告:使用状況の報告が義務付けられているので従う

それなりに準備などの手間がかかることはよく理解しておきましょう。

 

東京都で飲食店を開店するときの必要経費

東京の23区内の場合、飲食店を開店するときの経費の目安は坪単価30万~80万とされます。20坪であれば600万~1600万円ということになります。幅がありますが、立地や規模、従業員数などによっても費用は変わります。あくまで目安とお考え下さい。

費用の種類と費用全体に占める割合の目安は以下の通りです。

  • 物件取得費:15%(賃料の2~6か月)
  • 店舗デザイン・工事費:50%(坪単価15万~50万円)
  • 諸経費:20%(届出・採用・研修・集客など)
  • 運転資金:15%(月々の賃料や人件費・光熱費など)

イニシャルコスト・ランニングコストの両面から検討しましょう。

 

よくある質問

Q1. 飲食店向けの補助金とは何ですか?

A. 補助金は国や自治体が事業者に対して、事業費の一部を支援する資金制度です。基本的に返済不要で、経営改善や新分野への挑戦、IT導入などの費用に使える場合があります。

Q2. どんな補助金が飲食店で使えますか?

A. 代表的なものとして、IT導入補助金、創業・事業承継補助金、小規模事業者持続化補助金があります。販路拡大・業務効率化・新規開業に利用できるケースがあります。

Q3. 小規模事業者持続化補助金は飲食店に使える?

A. 小規模事業者持続化補助金は、従業員5人以下の小規模飲食店がWeb集客や販路開拓などの事業費に使える制度です。用途や申請要件を満たす必要があります。

Q4. 補助金の申請で気をつけるべき点は?

A. 補助金は申請時期や必要書類が制度ごとに異なり、募集が期間限定の場合もあります。また申請しても全て採択されるわけではなく、計画内容の審査を通過する必要があります。

Q5. フランチャイズ加盟でも補助金は受けられますか?

A. 補助金は独自事業の投資や改善を支援するもので、加盟料などは対象外になることが多いです。ただし「事業再構築補助金」など一部制度では加盟店でも対象になる場合があります。

 

まとめ

補助金・助成金は、飲食業専門のものもあれば、雇用に関するものまで幅広くあります。

全て支給してもらうのは難しいかもしれませんが、少なくとも開業に伴うものは確実に申請しておきましょう。

助成金や補助金というのは、審査に通過できるかということよりも、どのような種類があるのかを知っていることが一番重要です。

前もって調べておくか、時間がない場合は行政書士事務所などに相談して、受けられる支給は忘れずに申請しておきましょう。

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