飲食店開業に必要な2つの資格と10種類の届出

飲食店開業に必要な2つの資格と10種類の届出

自分のお店を持つためのイメージはいくらでも浮かぶのに、実際に開業するとなると不安はつきませんよね。開業資金で頭を悩ませ、ようやくなんとか都合がついたと思ったら、次は申請や資格関係のことに関する悩みが襲ってきます。飲食店に限らず、初めて開業する方にとって、こういった申請関係はとにかく頭が痛い原因。早めに解決してしまいたいものです。

自分のお店を持つためには、資格や営業許可申請などが必要です。とはいえ、取得が難しいような資格ではなく、多少の手数料と手続きさえしっかりと行えば誰でもすぐに開業することができます。

本記事では、これから開業しようと思っている方が必要な2つの資格と10種類の届出をわかりやすく丁寧に解説いたします。

 

この記事の内容まとめ

  • 飲食店の開業時に必要不可欠な資格は、食品衛生責任者と防火管理者
  • 調理師免許はなくても開業できる
  • 飲食店の開業時に必要な届け出は10種類あるが、業態や条件によっては不要なものもある
  • 届け出の提出先は、保健所、消防署、警察署、税務署、労働基準監督署、公共職業安定所、日本年金機構
  • 「開業日より〇日前までに提出」などの指定がある届け出も多い


飲食店の開業時に必要不可欠な資格は2つ

飲食店_必要な資格

自分の飲食店を開業したい!そのために必要な資格はたった2つです。しかも療法等も手順さえきちんと行えばすぐに取得できるものばかり。しかも飲食店を開業するにあたって、調理師免許は不要です。

 

【資格・届け出以外もふくめた開業までの準備についての記事はこちらからどうぞ】
小さい飲食店を開きたい!開業までの準備を細かく紹介!


食品衛生責任者

飲食店を開業するためには、絶対に必要な資格です。この資格を有する者を店舗に1人必ず置かなければいけません。

この資格は、1日講習を受けることで誰でもすぐに取得できます。

オーナーや店長がならなければいけないという決まりはありませんので、従業員の中から選出してもOKです。

また、調理師免許や栄養士のような資格を持っている人は講習を受けなくてもこの資格を取得することができます。

資格取得にかかる費用は10,000円で、講習は食品衛生協会で実施しています。

お店のオープンが多いような時期だと、自分の好きな日程で予約を取ることが難しい場合もあります。

開業までに必要な資格ですので、直前まで後回しにせずになるべく早い段階で取得しておきましょう。


防火管理者

店舗の収容人数が30名以上の店舗の場合、防火管理者の資格を持った人が1人必要です。こちらも従業員の中で誰か1人に資格を取らせれば問題ありません。

30名以下の小さなカフェなどの場合は不要です。

この資格は2種類あり、店舗の平米によって防火管理の資格の種類が変わります。

300平米以上の場合は甲種防火管理者、300平米未満の場合は乙種防火管理者の資格が必要です。

ただし、甲種防火管理者の資格を持っていれば、乙種は不要です。甲種は2日の講習で取得可能、乙種は1日の講習で取得が可能です。

金額はそれぞれ甲種が6,500円、乙種が5,500円。

日本防火・防災協会で講習が行われていますので、こちらも開業ぎりぎりではなく早めに取得しておくことをおすすめします。


調理師免許が無くても開業はできます

多くの人が勘違いしているのが、調理師免許についてのこと。

開業にあたって資格が必要なんじゃないか?と不安になっている方の多くは、調理師免許が必要だと思っているのではないでしょうか。

確かに調理師免許は簡単に取得できるものではありませんし、飲食店は調理師がいないと経営できないと思っても不思議ではありません。

しかしこれは大きな勘違いで、飲食店を経営するために調理師免許は必要不可欠な資格ではありません。

調理師免許は、どちらかというと調理師として料亭や一流レストランなどで働くために必要なので、開業するために取得しなければいけないような資格ではありませんので安心してください。

ただ、調理師免許をもっていると、食品衛生責任者の資格をわざわざ取得する必要はありませんので、持っているに越したことはありませんね。


【開業準備にかかる期間や流れについての記事はこちらからどうぞ】
飲食店の開業準備は12ヶ月かかる?準備の流れやポイントを詳しく解説

 

飲食店の開業時に必要な10種類の届け出

飲食店_届出

最初に紹介した2つの資格は、どんな形態であれ開業の際には必ず必要な資格でした。

これから紹介する10種類の届け出は、これから開業するお店の形態によって不要なものも含まれています。

各届け出がどの業種に必要なのか、ひとつずつ見ていきながら解説していきます。

 

【飲食店開業の流れについての記事はこちらからどうぞ】
飲食店開業に絶対に必要な事をお教えします!飲食店開業の流れ解説

 

届け出一覧【対象・届け出先・期限】

以下で説明する届け出について、必要となる対象者・届け出先・期限を一覧にしました。


【飲食店開業に必要な届け出一覧】

 

届け出内容

対象

届け出先

期限

食品営業許可

全員

保健所

開業の2週間前

防火管理者選任届

お店に収容できる人数が30名を超える場合

消防署

開業する前

防火対象設備使用開始届

全員

消防署

開業の7日前

火を使用する設備等の設置届け

厨房やガスを利用する場合

消防署

設備設置前

深夜における酒類提供飲食営業開始届出書

午前0時以降に酒を提供する場合

警察署

営業開始の10日前

風俗営業許可

項目多数 専門家に相談するのがおすすめ

警察署

営業開始の約2か月前

個人事業の開廃業等届出書

個人事業主として店舗を開業した場合

税務署

開業から1カ月以内

労災保険の加入手続き

アルバイト・社員を雇った場合

労働基準監督署

雇用した日から10日以内

雇用保険の加入手続き

雇用形態に関係なく、31日以上雇う予定があり、さらに週の労働時間が20時間以上となる場合

公共職業安定所

雇用する日の翌日から10日以内

社会保険の加入手続き

法人化して開業する場合

日本年金機構

できるだけ早く

自分に関係あるところは以下のそれぞれの解説で確認してみてください。

 

【届け出以外に必要な飲食店の営業許可についての記事はこちらからどうぞ】
飲食店の営業許可の種類・費用・手続き方法をご紹介!!


1.【保健所】食品営業許可

食品営業許可とは、食品衛生法に基づいた許可のことで、開業の際に必ず必要な届出です。

開業の2週間前までに保健所に申請します。審査に通過したら、許可証が交付されます。これをもって、営業を開始することができます。

この届出は、全ての事業形態で必要です。

多くの人が、まずこの申請で頭を悩ませます。なぜならこの申請は、店舗が完成しなければ許可が下りないからです。

しかも、申請をするまでに事前に何度も相談に行ったりしなければなりません。

許可は誰でも取得できますが、審査はそれなりに厳しいものなので、事前の準備をしっかり行った上で、届出に臨みましょう。


2.【消防署】防火管理者選任届

お店に収容できる人数が30名を超える場合に必要な届出です。

開業する前に消防署に申請が必要です。30名以下のカフェなどの場合は不要です。

ただ、火の使用については別途届出が必要です。


3.【消防署】防火対象設備使用開始届

この届出は、開業の7日前までに消防署に届出を行います。

防火関係は飲食店に限らず全ての事業形態で必要な届け出となります。

忘れてしまうと罰則もあるくらい厳しいものですので、確実に届け出を行いましょう。


4.【消防署】火を使用する設備等の設置届け

火を使用する場合、一定の基準を超えるような設備を設置する場合は届け出の必要があります。

代表的なものをいくつか挙げると

  • 熱風炉
  • 厨房
  • 可燃性ガスまたは常軌を発生する炉

このようなものが該当します。

飲食店の場合は厨房が該当しますので、業務形態に限らず届け出を行う必要があります。

ただし、厨房がなくドリンクのみを提供するような店の場合はこの限りではありません。


5.【警察署】深夜における酒類提供飲食営業開始届出書

午前0時以降、酒を提供する場合は警察署に届出が必要です。

営業開始の10日前までに申請しましょう。また、開業後に変更があった場合も申請が必要です。

居酒屋、バー、立呑みなどで0時を超えて営業しているお店が該当します。0時前に閉店する場合は不要です。

この届出は、業務形態によっては風俗営業許可とセットになることが多いです。

もし、0時以降も営業するかどうか悩んでいる場合は、まず自分の店舗が風俗営業許可が必要な業務形態かどうかを先にチェックしておいた方がいいでしょう。


6.【警察署】風俗営業許可

風俗営業許可は該当するかどうかの判断が非常に難しく、該当しないと思ってうっかり営業してしまうことも多い、非常にややこしい届出です。

項目はかなり多くありますが、代表的なものを例として挙げてみましょう。

  • 1.客の接待を行い、遊興または飲食をさせるような営業の場合
  • 2.照度が10ルクス以下で営業している場合
  • 3.区画席を設け、他から見通すことが難しく、さらにその区画が5平方メートル以下の場合

ひとつの例として、漫画喫茶やネットカフェは、風俗営業許可が必要な場合があります。

なぜなら、3つ目の「区画性を設け見通しが難しい」という部分に該当するからです。しかし、風俗営業許可を取っても、風営法によって0時以降は営業ができない場合も。

そうなると、ネットカフェとしての開店は難しいですよね。

では、深夜営業をするために飲食の提供をやめるとしましょう。そうなれば飲食店ではなくなるので、飲食店の営業許可も風俗営業の許可も不要ということになります。

しかし、飲食からの利益がなくなってしまうので、なかなかの痛手となってしまいますね。

このように、風俗営業許可と深夜営業許可はとても難しい申請なので、酒類を扱う場合は専門家に相談することをおすすめします。


7.【税務署】個人事業の開廃業等届出書

個人事業主として店舗を開業した場合は、開業から1カ月以内に税務署に開業届を提出する必要があります。

全ての業務形態において必要な届出になります。


8.【労働基準監督署】労災保険の加入手続き

アルバイトを雇った場合、雇用した日から10日以内に加入手続きが必要です。

人数は関係なく、1人でも雇ったら必ず加入しなければいけません。

雇用形態と労働時間によって加入が左右されるのは、次に紹介する雇用保険になります。

労災保険は、どういった形態で雇ったとしても、加入する必要があります。


9.【公共職業安定所】雇用保険の加入手続き

雇用形態に関係なく、31日以上雇う予定があり、さらに週の労働時間が20時間以上となる場合は雇用保険に加入させる必要があります。

これは雇用主の義務なので、雇用形態が上記を満たしている場合は必ず加入させてください。

手続きはハローワークで行います。


10.【日本年金機構】社会保険の加入手続き

法人化して開業する場合は、社会保険への加入義務が生じます。

自分だけしかいないお店であっても、法人化している場合は加入しなければなりません。

一方、個人事業主として開業している場合は、従業員を何人雇っても加入義務はありません。従業員の福利厚生を考えて任意で加入することも可能です。開業するにあたって必ず必要な資格と届出は把握できたでしょうか?


よくある質問

Q1. 飲食店開業に必ず必要な資格は何ですか?

A. 飲食店を開業するには、食品衛生責任者の資格が必須です。各自治体の講習・試験を受けて取得し、衛生管理を行う責任者として店舗に1人以上設置します。

Q2. 調理師免許は飲食店開業で必須ですか?

A. 調理師免許は必須ではありません。食品衛生責任者がいれば開業可能ですが、免許保持者なら講習不要や信頼感アップなどメリットもあります。

Q3. 防火管理者の資格は必要ですか?

A. 店舗の収容人数が30人以上の場合は、防火管理者の資格と選任届が必要です。消防署の講習を受講して資格を取得し、店舗の安全管理に備えましょう。

Q4. 深夜にお酒を提供する際の届出は?

A. 深夜0時以降に酒類を提供する場合は、深夜酒類提供飲食店営業届を提出します。資格ではありませんが、営業開始前に管轄警察署に申請が必要です。

Q5. その他の資格や申請はありますか?

A. 店舗で菓子やパンを製造する場合は製菓製造関連の許可が必要なケースもあります。また、保健所の営業許可申請は食品衛生責任者設置と合わせて必須です。

 

まとめ

開業するにあたって必ず必要な資格と届出は把握できたでしょうか?

各種届出は、期限があるもの以外については少しでも早めに手続きしておくことをおすすめします。

開業直前になると、お店の準備や仕込み、また従業員との打ち合わせなど、届出や手続きどころじゃないくらい忙しくなります。

そんな中、講習を受けに行ったりしていては、安心してお店をオープンできませんよね。開業までに必ず必要な2つの資格については、開業を決めたらすぐにでも申請しましょう。

一番面倒な営業許可申請は、開業する場所や店舗が完成してからでないと、審査を受けることができません。

つまり、全ての届け出において、営業許可申請が最後になるくらいの予定で計画しておくと、余裕をもって開業準備に集中できるでしょう。

届け出に関しては、特に防火関連は忘れがちですが、忘れてしまうと罰則があるくらい厳しい手続きですので、忘れないうちにまとめて届出を行っておきましょう。

営業形態によっては、届出の量がかなり多い場合もあります。

自分の店舗にどの届出が必要か、しっかりまとめて一つずつ順番に処理していきましょう。

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