~その3~おさえておきたい業務用食材の仕入れのタイミング ~発注点方式のススメ~
飲食店を運営する上で悩みの種となりがちな賞味期限切れや解凍商品の廃棄ロス。有価で仕入れた業務用食材を捨ててしまうわけですので、そのままお店の不利益となってしまいます。かといって、少なめの量で発注、仕入れをした時に限って注文が殺到し、材料不足で販売チャンスを逃した…なんてことも多々ありますよね。
そこで飲食店のみなさまが業務用食材の仕入れのタイミングと発注量を決める際にぜひ活用いただきたいのが、「発注点発注」という方法。ただ、インターネットで「発注点発注」と検索しても複雑な計算式やよくわからない単語が並んでいて大変ですよね。ここでは皆さまでもすぐに導入できる簡易的な発注点発注の方法を解説します!
この記事の内容まとめ
- 業務用食材の仕入れでは、欠品と廃棄ロスを防ぐために「発注点発注」を取り入れることが重要
- まずは「1日の平均使用量」を目安に設定すると導入しやすい
- 発注点は「納品までに使用する数量+安全在庫」で求められ、数値で発注タイミングを共有できる
- 発注点方式を使えば、店長以外のスタッフでも発注が可能になり、業務の属人化や人手不足対策につながる
- 季節や売れ行きに応じて安全在庫と発注点を定期的に見直すことが重要
欠品しても大丈夫!まずは『安全在庫』を計算しましょう

「安全在庫」とは季節的な需要の変化や、スポット的な大量注文を考慮した上で、メニューを提供できない状態(品切れ、材料切れ)を防ぐために設定する目安の在庫数量です。
発注点発注を行うためには安全在庫を定めておく必要があります。例えば、
ある業務用食材は1日で15個使用すると想定します。
そのとき、近くでイベントが開催されて1日に20個注文が入ると足りません。
しかし、安全在庫を10個として設定して在庫に上乗せをして発注をすることで、その日の在庫は15+10=25個なので品切れを防ぐことができます。
安全在庫の計算方法は以下の通りです。
安全在庫=(安全係数)×(平均使用量)×√(発注リードタイム+発注間隔)
…とみるだけでも嫌気がさしてきますよね。そこでフーヅフリッジのおすすめは、
安全在庫≒1日の平均使用量とすることです。
1日の平均使用量なら、だいたいは把握していますよね。発注点発注で大事なのは一週間に一回でも更新して標準偏差を理想に近づけていくことなので、まずは1日の平均使用量として、発注点を求めましょう。
実際の話、安全在庫を使用した発注点発注は初めは在庫が多めになりがちになるかと思います。特に飲食店のみなさまが扱うのは賞味期限・消費期限が定められている食材がメインですので、在庫過多でロスをしてしまうこともあるかもしれません。
しかし重要なのは「理論的に商品の仕入れ、発注を行う」ということで、やみくもに仕入れをするのとは異なり、「在庫が多くなってしまったら安全在庫の数値を小さくする」などと数値の置き換えで工夫ができます。
『発注点』とは?安全に在庫を確保できる発注タイミングの目安です

発注点とは、安全な在庫数を確保するために発注をする残り在庫数の目安のことを言い、この発注点を利用した発注方法のことを発注点発注と呼びます。
発注から入荷までのリードタイムや需要のばらつきも考慮にいれているので、弱点の少ない発注方法と言えます。
実際の発注点は以下の計算式で求めることができます。
発注点=1日の平均使用量×(リードタイム+発注間隔)+安全在庫(≒1日の平均使用量)
リードタイムとは発注してから商品が納品されるまでのタイムラグになります。
そして発注間隔とは定期的な発注をしている方に必要なもので、例えば一週間に1回発注されているかたは発注間隔が「7」という数字になります。
不定期に発注されているかたはここの数字は「0」になります。
発注間隔を一週間に1回などと定めて発注する方法は「定期発注点方式」と呼びます。
この方法は発注を小出しにするのではなく、まとめて行うので発注回数が減るメリットと、また在庫量を少なくできるという二つのメリットがあります。
ただし、毎回発注数量を計算しなければいけないので、仕入れの際の事務処理に関しては多くなります。
つきましては、ホテルや委託業者など、発注回数に制限がない限りは不定期に発注する(発注間隔=「0」)の仕入れ方法をおすすめします。
この不定期で発注する方法は「定量発注点方式」と呼ばれているのですが、その特性から食材や資材などの単価が安いものに向いていると一般的に言われています。
実際に発注点を求めてみましょう

それでは、ある業務用食材Aの発注点(発注するタイミングの残在庫数量の目安)を求めてみましょう。
この商品Aは発注してから納品まで2日かかり、不定期で発注をしている。
1日の平均使用量は10ヶだとします。
そうすると、発注点の計算式は、
Aの発注点=10×(2+0)+10=30と、
商品Aの発注点が『30ヶ』であることがわかりました。
つまり商品Aは残りの在庫が30ヶになったタイミングで発注をかければ良いということなのです。
この発注点は噛み砕くと(発注してから納品されるまでに使用する数量)+(安全在庫)なので、もちろん商品によって1日の平均使用量は異なりますから食材ごとに発注点を求めていく必要があります。
ただこの簡易的な発注点発注方式は、商品の1日の平均使用量と発注リードタイムだけがわかれば求めることができるのでエクセルで管理すればとても便利です。
この発注点発注を使えば『業務用食材の仕入れのタイミングを具体的な数値で共有できる』ということが最大のメリットともいえます。
お店の売上や仕入を把握している店長や料理長でしか仕入れの発注をすることができない状況にある飲食店は多いと聞きます。
ですが、発注点を使って「在庫がこの数量になったら発注をしといて」と伝えるだけでアルバイトやパートでも仕入れをすることができるようになります。
飲食店の人手不足が問題となっている今日ですので、まさに猫の手もかりたいという状況でしょうか、今あるリソースを有効活用するためのも在庫管理の方法を一度見直してみましょう。
飲食店の発注で失敗しないための5つのコツ
飲食店における発注は、ただ食材を注文するだけの作業ではありません。
適切な発注は 在庫ロスの削減・欠品防止・原価率の改善 につながる重要な経営行為です。このコツを押さえることで、日々のオペレーションが格段に改善します。
発注はデータをもとに行う
多くの飲食店では「勘に頼った発注」でミスや過剰在庫が発生しがちです。しかし、過去の売上データや季節性を分析して発注することが最も効率的な方法です。
例えば、過去の販売データから曜日ごとの需要傾向を把握したり、繁忙期・閑散期で発注量を調整することが重要です。これらは売上予測に基づく発注の基本であり、結果として欠品・過剰在庫の両方を予防できます。
適正在庫と発注タイミングを決める
「発注点方式」とは、在庫があらかじめ決めた水準(発注点)に達したら自動的に発注する方式です。急な欠品を防ぐだけでなく、必要以上の仕入れを抑えられます。
また、適正在庫を設定することで仕入れすぎによる廃棄コストを抑えることができます。
発注と在庫管理をルーティン化する
発注作業を一定のタイミングで行うルールを決めることも重要です。例えば、
- 閉店後すぐに発注作業を行う時間を固定化する
- 週に1回は棚卸しを必ず行う
といったルーティンを設定するだけでもミスは大きく減ります。また、在庫チェックは開店前に行うと、欠品の予防に効果的です。
売れ筋と売れ残りを分析する
発注は一律ではなく、品目ごとに管理することがポイントです。たとえば売れ筋商品の発注頻度は高く、滞りやすい商品は低めに調整するなど、売れ行きを見ながら柔軟に対応します。
また、ロット単位での発注を見直すこともコツのひとつで、単価や消費速度に応じて発注単位を細かく設定することで無駄を防げます。
テクノロジーを活用して、発注を自動化する
最近では POSシステム連動型の発注・在庫管理ツールの導入が進んでいます。これらは売上データから消費量を自動で算出し、在庫残量を把握したうえで発注量を提案してくれるため、発注ミスの軽減に役立ちます。
特に小規模店でも手軽に導入できるクラウド型サービスが増えているため、効率化の大きな武器になります。
よくある質問
Q1:発注点方式は小規模な飲食店でも使えますか?
小規模な飲食店でも十分に活用できます。発注点方式は複雑な計算が必須と思われがちですが、1日の平均使用量と納品までの日数が分かれば簡易的に導入可能です。Excelなどで管理すれば、少人数の店舗でも無理なく在庫管理が行えます。
Q2:安全在庫はどれくらいの量を設定すればよいですか?
最初は「1日の平均使用量」を目安に設定するのがおすすめです。厳密な計算式を使わなくても、まずは大まかな数値で始め、在庫過多や欠品があれば徐々に調整していくことで、実態に合った安全在庫に近づけることができます。
Q3:発注点方式を使うと廃棄ロスは減りますか?
はい、適切に運用すれば廃棄ロスの削減につながります。発注点方式では、必要なタイミングで必要な量を発注できるため、過剰仕入れを防ぎやすくなります。特に賞味期限のある業務用食材では効果を実感しやすい方法です。
Q4:発注作業は店長以外でも任せられますか?
発注点を数値で共有しておけば、アルバイトやパートスタッフでも発注が可能になります。「在庫がこの数になったら発注する」というルールが明確になるため、属人化を防ぎ、人手不足対策や業務効率化にも役立ちます。
Q5:安全在庫や発注点は見直す必要がありますか?
はい、定期的な見直しは欠かせません。季節や売れ行きによって食材の使用量は変動します。過去のデータを参考にしながら、安全在庫や発注点を調整することで、欠品と過剰在庫の両方を防ぎやすくなります。
定期的な安全在庫の見なおしを行いましょう
季節的な需要の変動や、在庫状況を鑑みて定期的に安全在庫の数値を見直すことを強くおすすめしています。
たとえばホットコーヒー用の粉は冬の寒い間はたくさん使用すると思いますが、夏になると殆ど使わなくなりますよね。
そのかわりにアイスコーヒー用の粉やリキッドタイプのアイスコーヒーの発注数量を増やす必要があります。
そのような時にも、昨年の発注点を残してあれば「昨年の冬はレギュラーコーヒーの発注点が30だったから、夏もそろそろ終わるし20から30に引き上げよう」とか「冬になるとアイスコーヒーの発注点は1にしているな」といったように簡単に発注数量をコントロールすることができるのです。
どんな発注方法でも、品切れや過剰在庫を100%防ぐことはできません。
もし倉庫のスペースが無限にあって、賞味期限や耐久年数のない製品があるとしたら欠品は起こり得ませんが、限られたスペース、限られた期間の中でいかにロスをしないように在庫管理を行うかが飲食店のみなさまにとって大事なことになります。
仕入れタイミングの工夫だけでなく、在庫のロスを減らす方法は他にもあります。
例えば生麺はとても足が早いですが、冷凍麺にすれば非常に長い間保存をしておくことができます。
最近では常温品にも負けず劣らずの冷凍食品がたくさん開発されてきました。
業務用食材ネット通販のフーヅフリッジでは常温・冷凍合わせて約3500品目の業務用食材をインターネットで購入いただけます。
インターネットならいつでもだれでも仕入れの発注をすることができ、いくつかの商品の価格を比べて仕入れすることができるので人件費や仕入れのコストカットにつながりますので、ぜひ一度ご覧ください
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